自律走行ロボットが走行する際に内界センサだけで走行しようとすると, 地面の凹凸等によって進行方向にずれが生じ曲がってしまい, 走行中の道から外れて進んでしまうように角度は走行において重要な要素である. そこで本研究では, 画像を利用して自律走行ロボットの進行方向のずれを補正し道から外れないようにする手法について研究を行った.
自律走行ロボットにおいて進行方向がずれてしまい道から落ちてしまうと予定していたルートに復帰できない, 事故になるなどの問題が起きる. そこで進行方向を補正し, 道から外れないようにすることを目的とする.
教示画像群において撮影前後の画像を見比べると, 進行方向の遠方の物体はあまり見え方に変化がないが, 画像左右に見える物体や人間等の動的物体は見え方が大きく変化する. このことから少しの撮影位置のずれによって大きく見え方が変わってしまう信頼度の低い近い物体のデータの影響を下げ, 位置や角度で変化しにくい画像内の遠方の物体のデータを重視して画像照合の安定化を図る.
画像でロボットの方向補正を行うには, 予め走行するルートを走行し一定間隔で撮影した教示画像群と走行中に撮影した入力画像で照合を行い, 画像間のずれを調べることでできる. ここで, 実際の走行で教示画像群を撮影したルートと平行にずれたルートで走行しているときは, 下図のようにずれた分画像の見え方が変わる. しかし, 画像の奥に見える建物のような遠方の物体は他の近い物体と比べて変化が小さい.
これを利用して研究目的で述べたように道から外れないような方向補正を行うために, 進行方向にある遠方の物体のデータを重視し教示画像に重みを付ける.