太田研 公開用Wiki

はじめに

研究背景

近年、ロボット技術の向上に伴い、農場や工場では追従型ロボットが導入され 始めている。従来、人が運んでいたような農作物や道具を追従型ロボットに積載 し、人物に追従させることによって運搬作業の省人化や作業員の負担の削減につ ながっており、作業員の重労働が減ることによって人間はロボットを監督するなど の他の作業に集中することができる。農業の担い手の減少が深刻している中、農 作業の自動化は今後重視される課題である。 本研究では、これらの課題の達成を目標とした人物追従システムの開発を行った。

研究目的

人物追従をするにあたってまず人物の検出を行う必要がある。 人物検出をするにあたって主にカメラ画像、ミリ波レーダー、3D-LiDAR を用 いた手法がある。カメラ画像は夜間には検出に必要な分の光量が足りなく、悪天 候時にはカメラのレンズに水滴がついてしまい、人物検出が困難になる。ミリ波 レーダーは波長の短い電波を使用しているため、農場や工場で頻繁に使用される ようなダンボールや発泡スチロールに対しては電波が通り抜けてしまい検出がで きない。 しかし、農場は基本的に屋外であり、夜間や悪天候時に利用される場合がある。 また、ダンボールや発泡スチロールは農場や工場では頻繁に使用されており、ロ ボットの目の前にダンボールや発泡スチロールが出現した場合、障害物として回 避することができなくなってしまう。人物追従は今挙げた例以外でも今後様々な 状況で使用されることが考えられる。 そのため、本研究では 3D-LiDAR を用いて人物追従システムを開発した。

ラベリングについて

まず最初に本研究の提案手法のもとになったラベリング処理について述べる。 画像処理におけるラベリングとは、2値化処理された画像に対して白の画素が 連続している部分を画素の連結成分とみなし番号を振り分けることで連結領域単 位で独立して扱うための処理である。 この処理は通常、同じ番号ごとの面積や幅、高さなどの特徴量を求めることで 欠陥検査や分類処理などに用いられている。 ラベリング処理には注目画素に対して左、上を参照画素とし、縦横の画素の連 結を同一のラベルとみなす4連結と、縦横に加えて斜めの画素の連結を同一ラベ ルとみなす8連結の2種類の処理があるが本研究では検出数を増やすために8連 結のラベリング処理を使用した。 ラベリング処理の流れを以下に示す。 1. 入力画像に対して2値化処理を行う 2. すべての画素のラベル番号を0で初期化 3. 2値化画像に対してラスタスキャンを行い、画素が白の位置を検索 4. 参照画素を検索し、その中で一番小さいものを、0の場合は最後 に振った番号+1のラベル番号を付与 5. 上までの処理を繰り返し、番号が被ったものや抜けたものを修正 ラベリング処理は2値化画像に対して白の部分の連結を判断する。そのため、こ の処理をするためには閾値を決めて画素値を黒と白にしなければならない。しか し、人物を検出するにあたって2値化処理をしてしまうと人が黒い服を着ている 状態など、ラベルを付与したい状況でもできない場合が予想される。そのため、ラ ベリング手法をもとに提案手法の節で述べる距離画像のクラスタリング処理とい うものを行う。

提案手法

信号の候補領域の特定


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