人間と共存するロボットの技術開発及び発展のために,様々な大学や企業によりつくば市内で行われている自律走行ロボットを走行させる走行実験として「つくばチャレンジ」という実験走行会がある.
つくばチャレンジは「人間とロボットが共存する社会の実現」を目的とした公開実験であり,方法や結果を共有することで技術者たちの交流と技術の発展を目的としている.
一昨年行われたつくばチャレンジ2019は,ロボットに自律走行させることでつくば市役所の構内から始まる横断歩道や信号を自律走行させ,様々な課題の達成を目指すものであった.
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つくばチャレンジのロボットは自律走行であるために,あらかじめ設計されたプログラムにも付いて走行している.そのため、予めどのような状況があり,またその場合にどのような行動をするなどといったことが想定されプログラムとして組み込まれていることが多い.
また,つくばチャレンジのコースはつくば市区所の周りを様々な課題を実施しながら走行するコースなのだが,そのコースにはつくば市役所近くでの公園内での走行が含まれている.この公園内では植生保護の観点から芝生のエリアが進入禁止になっており,侵入した場合直ちに失格となってしまうため.つくばチャレンジ公園内を走行する為には走行禁止エリアである芝生に入らないような処理が必要になる.その手法の一つとして,走行禁止エリアである芝生のエリアを識別し道路のエリアと区別をして走行する際に侵入しない様にプログラムで補助をする手法が存在する.
これには,ICNet[1]やLaser Range Finderを用いた深層学習による手法[2]が先行研究として存在するが,つくばチャレンジにおける走行上のリアルタイム性の制約や,コストの観点から,本研究では処理の軽い古典的手法の中でもカメラを用いた路面識別の手法を模索した.
つくばチャレンジにおける路面識別の手法には,前章で述べたような深層学習を用いたものが多い.しかし,古典的手法となると極端に少なくなる.理由としては,古典的手法を用いずともコストを掛ければ解決していたり,オドメトリのみで走行が可能だったりするために道路レーンをHoughで検出するような補助的処理だけで事足りている為である.
このような中で古典的手法を用いたカメラによる路面識別をする手法として,私は道路と芝生のみを識別することから,道路と芝生の画像それぞれを分割して分別することで検出を行う,物体検出のスタンダードな手法であるSVMを持ちいて検出を行うのがいいのではないかと考えた.
[1]安達 美穂, 単眼カメラを用いた意味的領域分割に基づくビジュアルナビゲーション, TSUKUBACHALLENGE2019参加レポート集 , pp.105~110, 2020
[2]棟本 真弘, Convolutional Neural Networkを用いた通路認識と分岐検出に基づく自律走行, TSUKUBACHALLENGE2019参加レポート集 , pp.55~58, 2020
[4]OpenCV : http://opencv.org/