#author("2022-03-22T12:53:28+00:00","default:ail-wiki","ail-wiki") #author("2022-03-30T10:39:34+00:00","default:ail-wiki","ail-wiki") [[画像処理による道路白線の検出]] [[太田研 公開用Wiki]] *画像処理による道路白線の検出 [#jaeac04c] #contents *はじめに [#n1ca3008] 近年,自動運転技術の研究が盛んに行われている.自動運転では様々なセンサーにより自己位置推定を行っている.その中でも,白線の検出には主にカメラが用いられている.3D-LiDARでも白線検出が可能だが,高価である,3次元情報を持つ高精度な地図が必要であるなどの欠点も存在する.こういった理由から,カメラによる検出は現在も需要が高い. 最も簡単な白線検出手法は,道路画像からエッジを検出し,その結果を元に直線検出を行う手法である.しかし,この手法では未検出や誤検出が大きな課題となる.機械学習を利用した検出手法も存在するが,処理時間が長く求められる処理性能も高いという欠点を持つ.自動走行においては,白線検出の他にも様々なセンサー等による計測をリアルタイムで行う必要があるため,機械学習の欠点は軽視できないといえる. 最も簡単な白線検出手法は,道路画像からエッジを検出し,その結果を元に直線検出を行う手法である.しかし,この手法では未検出や誤検出が大きな課題となる.機械学習を利用した検出手法も存在するが,処理時間が長く求められる処理性能も高いという欠点も持つ.自動走行においては,白線検出の他にも様々なセンサー等による計測をリアルタイムで行う必要があるため,機械学習の欠点は軽視できないといえる. 本研究では,建築物の影や道路標示の影響を軽減でき,かつ高速な白線検出手法を提案する.機械学習は利用せずに画像処理のみを用い,一般的な従来手法を改良する形で手法を提案する.カメラは単眼カメラを搭載したドライブレコーダーを想定する.従来の手法では用いられていない処理を採用した提案手法と,従来手法で用いられる処理を採用した比較手法を実装した.実際に撮影した道路上の画像から白線検出を行い,各処理の評価を行った. *既存手法 [#w78f64cf] 画像処理で白線検出を行う場合,図1のフローチャートのような処理が基本となる. グレースケール化はカラー画像を白黒の画像に変換する処理であり,不必要な色情報の削除を目的としている. Canny法はエッジ検出手法の中でも主流なものである.エッジとは輝度差のある領域の境界であり,エッジ検出後の画像はエッジとなる白い線のみとなる. Hough変換は二値または多値画像から直線や円を効率良く検出するための,ノイズに強い手法の一つとして知られている.これによりってエッジの中から直線を検出し,それを白線とみなす. この従来手法が抱える課題点としては,白線以外のものを検出してしまう誤検出がある.道路上には縁石や道路標示,建築物などの影の境界線など,多くの直線が存在する.上記の従来手法では白線と誤検出の区別を行うことができないため,精度が低くなる. *提案手法 [#m085e84f] **提案手法で用いる処理 [#s2107b17] ***適応的閾値処理による二値化 [#i2393ba6] 二値化とは,グレースケール画像を0(黒)と1(白)の 2 つの値のみで構成された二値画像に変換する処理である.0と1に分ける基準となる値を閾値と呼び,グレースケール画像の画素値(輝度)が閾値以上か未満かでそれぞれ別の値を割り当てる. 通常の二値化の場合,グレースケール画像の全ての画像に対して共通の閾値を適用する.しかし実際の道路画像では,日差しやアスファルトの色によって白線以外の部分の輝度が高くなる,影によって白線の輝度が低くなるなど,様々な状況が発生する.これらを一つの閾値で対応することは困難である. 今回採用した適応的閾値処理は,画像を小領域で区切り,領域ごとに適切な閾値を計算して二値化を行う.これにより,輝度差が小さい箇所を検出しやすい.閾値Gaussian分布による重み付けで計算する.これは中央の重みを大きく,端の重みを小さくしているため,注目画素の元の情報を残しやすいという特徴がある. 影の影響を軽減できる一方で,境界以外が白になってしまうこと,アスファルトの凹凸による輝度差を検出することなど,注意点も存在する. ***画像分割を用いた直線検出 [#h8495e23] ***矩形検出 [#m2ed3a3b] **実装した各手法の処理 [#b401013f] *評価実験 [#g800ce5d] **実験方法 [#xf1af0a5] 実装した4つの手法にて,実際に画像を入力して白線検出を行い,評価した.入力画像は桐生市および桐生市周辺にて,ドライブレコーダーで撮影した画像170枚を用いた.画像は白線がある程度はっきりと写っているものに限定し,白線が著しく薄くなっているものは除外している.また,白線が破線になっている地点や,交差点で撮影したものについても除外している.画像の撮影時間帯は昼間のみに限定している. 白線を検出できた枚数,誤検出が発生した枚数を集計し,検出率と精度を求めた.また,画像1枚あたりの処理時間を計測した. **実験結果 [#p7b2b2ec] *考察 [#d9179f91] 適応的閾値処理はCanny法と比較して検出率が高い.これは微細な明度差を検出しやすいという特徴によるものだといえる.しかし同様の理由による誤検出の増加により精度は低くなっている. *まとめ [#qf9fb674] ----- #counter