つくばチャレンジにおける3D-LiDARを用いた経路封鎖看板の検出手法
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[[太田研 公開用Wiki]]
*つくばチャレンジにおける3D-LiDARを用いた経路封鎖看板の検...
#contents
*はじめに [#hec73ed3]
現在,実用化されているロボットの多くは限定された状況下での...
そのような現状で実環境下においてロボットと人間の共存と自...
つくばチャレンジとは,つくば市の市街地で移動ロボットを自律...
課題コースの自律走行の必須課題加えて,選択課題が課されてい...
2019年度では,課題コースが約2.5kmとなっており公開されてい...
選択課題として事前データ取得なし走行,信号認識横断,チェッ...
選択課題の経路封鎖迂回では,課題コースの一部となっている研...
道の両端に経路封鎖看板を設置することで経路封鎖を示す.経路...
そのため,ロボットは経路封鎖看板を自律的に認識して物理的に...
迂回することが求められている.
本研究では,3D-LiDARセンサを用いて経路封鎖看板を検出する手...
3D-LiDARセンサでは物体の座標,反射強度等のデータを計測する.
検出対象となる経路封鎖看板の両端に再帰反射テープが貼られ...
提案手法では再帰反射テープの反射強度が高くなることに着目...
CENTER:#ref(corse.png,center,70%)
CENTER:図1: 2019年度課題コース
*反射強度による検出手法 [#r87651b1]
** 検出する経路封鎖看板について [#na8485e1]
経路封鎖看板の形状は本体サイズがW330✕H887(mm)に,有効表示...
経路封鎖迂回の課題では研究学園前公園内に数カ所設置されて...
公園内の数カ所設置にされており,設置されている場所では図2...
図2の設置する際の道幅は5mとなっているが,2m,3mの道幅にも設...
CENTER:#ref(road-closed_5m.jpg,center,40%)
CENTER:図2: 経路封鎖看板の設置例
経路封鎖看板は図3のように看板の両サイドに再帰反射テープが...
再帰反射テープとは,光がどのような方向から当たったとしても...
そのため,フラッシュ撮影を行うと図3のようにテープが貼られ...
再帰反射テープの光学的特徴によって反射強度が高くなる.
CENTER:#ref(signboard.jpg,center,70%)
CENTER:図3: 経路封鎖看板のフラッシュ撮影
**検出に用いるセンサについて [#ge29508d]
本研究では,経路封鎖看板の検出を行う際に3D-LiDARセンサを用...
3D-LiDARセンサとは,レーザー光を対象物に照射して対象物との...
CENTER:#ref(lidar.jpg,center,30%)
CENTER:図4: 用いた3D-LiDAR
本実験で扱う3D-LiDARセンサでは対象物の3次元座標,反射強度...
測定された座標の出力は点群出力で行われる.
測定可能距離は0.3〜200mになっている.
3D-LiDARから取得した点群を用いて周囲環境を描画することが...
実際に図5で観測した点群を距離情報と反射強度について描画し...
CENTER:#ref(pandora_front_color_002218.jpg,center,50%)
CENTER:図5: 点群の観測地点
CENTER:#ref(dist.png,center,100%)
CENTER:図6: 距離情報に基づいた色分けの点群画像
CENTER:#ref(reflect.png,center,100%)
CENTER:図7: 反射強度に基づいた色分けの点群画像
**経路封鎖看板の検出方法 [#g74e2477]
提案方法では,経路封鎖看板の両端に反射強度の高い再帰反射テ...
提案手法の大まかな流れを示す.
+観測された点群の入力
--入力データは3次元の座標,反射強度.
+点群の下処理
--点群に対して距離と反射強度に関して抽出を行う.
--抽出した点群に対してソートを行う.
+クラスタリング
--点群に対して再帰反射テープの形状情報を元にクラスタリン...
+ペアの作成
--クラスタリングされた点群に対して看板の形状情報を元に位...
+形状チェック
--ペアの形状情報看板の形状情報を元に看板かどうか識別を行う.
+結果出力
以降は提案手法の大まかな流れに沿って述べる.
述べる際に図5の地点で観測した点群を用いて処理ごとに点群画...
***点群の下処理 [#s22f2ab4]
入力された観測された点群に対して下処理を行う.
まず入力された点群の中で距離が1〜10mにある点群のみを抽出...
点群の距離が離れれば離れるほど点群の解像度が低くなるため...
そのことから点群が高い解像度を保った状態で処理ができるよ...
また,点群との距離が離れることによって点群の欠損が生じ,正...
次に距離によって抽出された点群の中にある再帰反射テープだ...
再帰反射テープは他の物体に比べて反射強度が高い値を返すため,
距離によって抽出された点群の内,反射強度の高い点群を抽出す...
最後に抽出された点群に対して高さに関しての昇順ソートを行う.
この後にクラススタリングを行う際,点群が高さに関して並んで...
点群に対して下処理を行った結果の点群画像が図8となる.
点群は白でプロットを行ったが,反射強度の高い点群のみ青色で...
CENTER:#ref(processing_pc.png,center,100%)
CENTER:図8: 下処理後の点群画像
*** クラスタリング [#n918a696]
点群の下処理の終了後,次は下処理した点群に対してクラスタリ...
クラスタリング処理では再帰反射テープの形状情報に基づいて...
順を追ってクラスタリング処理について述べる.
まず,下処理を行った点群の内基準点となる点を任意に定める.
次にこの点より高い位置にあり,かつ左右0.06m,奥行き0.08mの...
条件を満たす点が見つかった場合,基準点を保存し,条件を満た...
条件を満たす点が見つからなかった場合,保存された点群の高さ...
その点群を再帰反射テープとしてクラスタリングする.
クラスタリングできなかった場合,今の基準点とは異なった任意...
一連の操作を基準点が設定できなくなるまで行う.
CENTER:#ref(clustering.png,center,100%)
CENTER:図9: クラスタリング後の点群画像
クラスタリング処理を行った結果が図9になる.
クラスタリングされた再帰反射テープごとに色を変更し,プロッ...
***ペアの作成 [#w3e26c1c]
クラスタリング処理の終了後,クラスタリングされた再帰反射テ...
位置が近い同士でペアの作成を行う.
まずクラスタリングされた点群の中から任意の点群を選ぶ.
任意の点群とそれ以外のクラスタリングされた点群を1つ選び点...
位置が近い同士を探索する際に幅だけでなく奥行きの差をチェ...
つくばチャレンジの課題コース中に再帰反射テープ以外の反射...
係が身につけている反射材の部分を再帰反射テープとクラスタ...
幅だけであると正しくペアを作成できない可能性がある.
そのため,奥行きの差をチェックすることで正しくペアの作成が...
求めた幅と奥行きの差が閾値に収まったらその点群同士は同一...
その後,任意の点群を選び直し同様の操作を行う.
閾値に収まらなかった場合,任意の点群はそのまま変更をせず,...
CENTER:#ref(make_pair.png,center,100%)
CENTER:図10: ペア作成後の点群画像
ペアの作成を行った結果が図10になる.
同一看板上にあるとしペアになった点群は同色でプロットされ...
*** 形状チェック [#aac086f6]
ペア作成処理の終了後,作成したペアの形状情報と看板の形状情...
ペアの形状情報を求める.
ペアになったクラスタリングされた点群の1番高い位置にある点...
その後,1番高い点同士,1番低い点同士の幅を求める.
次にペアとなっているクラスタリングされた点群の高さを求める.
求めたペアの幅とクラスタリングされた点群の高さが看板の形...
形状情報に基づいた判定処理終了後,求めたペアの幅とクラスタ...
領域内の点群が設定した閾値を超えたら看板として検出を行う.
CENTER:#ref(002218.png,center,100%)
CENTER:図11: 形状チェック後の点群画像
形状チェック結果が図11になる.
作成した結果画像では看板として検出した点群に対して赤い矩...
*評価実験 [#q732f604]
** データセット [#ga38959e]
本実験では,つくばチャレンジの実験走行,大学構内で行った走...
ログデータとして3D-LiDARで取得した3次元位置情報をポイント...
このテキスト形式ファイルを読み込んで3次元位置情報,反射強...
実験で用いるログデータでは経路封鎖看板の点群が含まれてい...
つくばチャレンジでは,課題コース内で反射材が貼付されたゼッ...
ゼッケンの反射材部分の反射強度が再帰反射テープと同等な値...
ゼッケン部分を検出するかどうかを検証する.
ログデータ総数800個での実験を行った.
ログデータの内訳として,経路封鎖看板が含まれているデータが...
経路封鎖看板が含まれていないログデータは406個を用いる.
** 実験結果 [#i3fc3f50]
今回は点群画像を作成し,
作成した点群画像に対して検出結果を描画することで検出結果...
提案手法で述べた通り,結果画像となる点群画像では赤い矩形が...
実験の結果として点群画像上で表示される経路封鎖看板が検出...
経路封鎖看板以外のものを経路封鎖看板として検出してしまっ...
正解,不正解の捉え方として経路封鎖看板そのものを検出できて...
そのため,正解,不正解が混在する場合がある.
本実験での正誤例を図12,図13,図14で示す.
検出結果の分類として誤検出例を用意したが本実験では誤検出...
誤検出例の図は用いない.
図12では図中に含まれている2つの経路封鎖看板の点群に対して...
図13のように図中に含まれている2つの経路封鎖看板を検出でき...
2つの経路封鎖看板が存在していてもどちらか片方しか検出でき...
CENTER:#ref(002214.png,center,100%)
CENTER:図12: 正解画像例
CENTER:#ref(000851.png,center,100%)
CENTER:図13: 不正解画像例
CENTER:#ref(000350.png,center,100%)
CENTER:図14: 正解と不正解が混在する画像例
|CENTER:データ数|CENTER:看板数|CENTER:検出数|CENTER:未検...
|394|791|666|125|0|84.197%|
CENTER:表1: 経路封鎖看板を含むログデータ群での検出結果
|CENTER:データ数|CENTER:看板数|CENTER:検出数|CENTER:未検...
|406|0|0|0|0|0%|
CENTER:表2: 経路封鎖看板を含まないログデータ群での検出結果
表1は経路封鎖看板を含むログデータ群394個を用いて行った実...
経路封鎖看板791個に対して検出率84.197%という結果になった.
表2は経路封鎖看板を含まないログデータ群406個に対して誤検...
結果に関する考察については考察にて述べる.
*考察 [#kc8f8074]
**未検出について [#i14b7ad0]
未検出について経路封鎖看板の傾きが距離による点群の欠損の2...
この2つの条件について順に述べていく.
***経路封鎖看板の傾きについて [#be10e219]
経路封鎖看板の傾きによって未検出になってしまったことに関...
図15のようにカーブ上に経路封鎖看板が設置された場合での提...
CENTER:#ref(pandora_front_color_000845.jpg,center,50%)
CENTER:図15: 点群の観測地点
CENTER:#ref(000845.png,center,100%)
CENTER:図16: 図15地点での検出
図16から経路封鎖看板の点群が検出できていることが見られる...
経路封鎖看板が傾いていることから正面から経路封鎖看板を計...
提案手法では再帰反射テープの点群から得られる情報を用いる.
したがって経路封鎖看板の点群を経路封鎖看板として検出する...
経路封鎖看板の傾きがあると再帰反射テープの点群が計測でき...
提案手法では経路封鎖看板に貼付された再帰反射テープの点群...
経路封鎖看板の点群が取得できていたとしても,
再帰反射テープの点群が取得されていないと検出できない.
***距離による点群の欠損について [#c3941276]
距離による点群の欠損によって未検出になってしまったことに...
図17のように離れた経路封鎖看板の点群でも提案手法での検出...
CENTER:#ref(pandora_front_color_002365.jpg,center,50%)
CENTER:図17: 点群の観測地点
CENTER:#ref(002365.png,center,100%)
CENTER:図18: 図17地点での検出
CENTER:#ref(dist2365.png,center,100%)
CENTER:図19: 図17地点での距離による色分けの点群画像
右側の経路封鎖看板の点群は計測できているが,左側の経路封鎖...
計測できている点群も貼付されている再帰反射テープの点群が...
したがって経路封鎖看板の検出ができていない.
また,別の未検出パターンとして,再帰反射テープの点群が計測...
形状識別をする際に領域内にある経路封鎖看板の点群が少ない...
考えられる原因として距離による経路封鎖看板の点群の欠損が...
本実験で用いた3D-LiDARでは約200mまで計測することができる.
しかし,距離が離れると点群の解像度が低下しまい,検出に必要...
このタイプの未検出については閾値の設定を緩めることで検出...
閾値の設定を緩めると問題が生じる.
誤検出が発生してしまう.
そのことから未検出に対処するために閾値を緩めることが良い...
**誤検出について [#o93f36d6]
提案手法での誤検出に関して述べる.
CENTER:#ref(pandora_front_color_000306.jpg,center,50%)
CENTER:図20: 点群の観測地点
CENTER:#ref(000306.png,center,100%)
CENTER:図21: 図17地点での検出
再帰反射テープ以外で高い反射強度を示す図20のように反射材...
反射材部分の点群は反射強度の高い点群として抽出されてしまう.
そのため経路封鎖看板以外の点群を検出してしまう可能性があ...
しかしながら,提案手法での実験では誤検出が0という結果にな...
考えられる要因としては閾値の設定を厳しく設定したことが挙...
図21では反射材の部分が再帰反射テープとしてクラスタリング...
しかし,経路封鎖看板としては検出されていない.クラスタリン...
形状チェックで排除できている.形状チェックの閾値を厳しく設...
そのため,本実験で設定した閾値より低く設定することで誤検出...
厳しい閾値によって本来検出するべき経路封鎖看板も排除され...
実験に用いたデータセットではこのような反射材を経路封鎖看...
誤検出を出さないような閾値に設定した結果,検出率は高いと結...
しかし,先に述べた通り閾値を低く設定し検出率の向上を図ると...
*まとめ [#jb0c0073]
本論文では,つくばチャレンジにおける経路封鎖迂回課題達成の...
提案手法では,経路封鎖看板に貼付されている再帰反射テープの...
形状情報に基づいた3D-LiDARでの検出を行った.
提案手法の流れとして,まず3D-LiDARで観測した点群の内距離が...
距離で抽出された点群の内反射強度の高い点群を抽出すること...
次に再帰反射テープの形状情報に基づいたクラスタリングを行...
クラスタリングされた点群の内距離が近いもの同士でペアの作...
最後に作成したペアの形状情報と経路封鎖看板の形状情報で経...
画像での検出手法も存在するが,屋外での検出になるため環境光...
評価実験では,実際につくばチャレンジでの実験走行,大学構内...
提案手法がつくばチャレンジの経路封鎖迂回課題達成のための...
今後の課題として,検出率の向上が挙げられる.提案手法では極...
そのため検出率の向上を目指すために誤検出への対処等を新た...
終了行:
[[太田研 公開用Wiki]]
*つくばチャレンジにおける3D-LiDARを用いた経路封鎖看板の検...
#contents
*はじめに [#hec73ed3]
現在,実用化されているロボットの多くは限定された状況下での...
そのような現状で実環境下においてロボットと人間の共存と自...
つくばチャレンジとは,つくば市の市街地で移動ロボットを自律...
課題コースの自律走行の必須課題加えて,選択課題が課されてい...
2019年度では,課題コースが約2.5kmとなっており公開されてい...
選択課題として事前データ取得なし走行,信号認識横断,チェッ...
選択課題の経路封鎖迂回では,課題コースの一部となっている研...
道の両端に経路封鎖看板を設置することで経路封鎖を示す.経路...
そのため,ロボットは経路封鎖看板を自律的に認識して物理的に...
迂回することが求められている.
本研究では,3D-LiDARセンサを用いて経路封鎖看板を検出する手...
3D-LiDARセンサでは物体の座標,反射強度等のデータを計測する.
検出対象となる経路封鎖看板の両端に再帰反射テープが貼られ...
提案手法では再帰反射テープの反射強度が高くなることに着目...
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CENTER:図1: 2019年度課題コース
*反射強度による検出手法 [#r87651b1]
** 検出する経路封鎖看板について [#na8485e1]
経路封鎖看板の形状は本体サイズがW330✕H887(mm)に,有効表示...
経路封鎖迂回の課題では研究学園前公園内に数カ所設置されて...
公園内の数カ所設置にされており,設置されている場所では図2...
図2の設置する際の道幅は5mとなっているが,2m,3mの道幅にも設...
CENTER:#ref(road-closed_5m.jpg,center,40%)
CENTER:図2: 経路封鎖看板の設置例
経路封鎖看板は図3のように看板の両サイドに再帰反射テープが...
再帰反射テープとは,光がどのような方向から当たったとしても...
そのため,フラッシュ撮影を行うと図3のようにテープが貼られ...
再帰反射テープの光学的特徴によって反射強度が高くなる.
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CENTER:図3: 経路封鎖看板のフラッシュ撮影
**検出に用いるセンサについて [#ge29508d]
本研究では,経路封鎖看板の検出を行う際に3D-LiDARセンサを用...
3D-LiDARセンサとは,レーザー光を対象物に照射して対象物との...
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CENTER:図4: 用いた3D-LiDAR
本実験で扱う3D-LiDARセンサでは対象物の3次元座標,反射強度...
測定された座標の出力は点群出力で行われる.
測定可能距離は0.3〜200mになっている.
3D-LiDARから取得した点群を用いて周囲環境を描画することが...
実際に図5で観測した点群を距離情報と反射強度について描画し...
CENTER:#ref(pandora_front_color_002218.jpg,center,50%)
CENTER:図5: 点群の観測地点
CENTER:#ref(dist.png,center,100%)
CENTER:図6: 距離情報に基づいた色分けの点群画像
CENTER:#ref(reflect.png,center,100%)
CENTER:図7: 反射強度に基づいた色分けの点群画像
**経路封鎖看板の検出方法 [#g74e2477]
提案方法では,経路封鎖看板の両端に反射強度の高い再帰反射テ...
提案手法の大まかな流れを示す.
+観測された点群の入力
--入力データは3次元の座標,反射強度.
+点群の下処理
--点群に対して距離と反射強度に関して抽出を行う.
--抽出した点群に対してソートを行う.
+クラスタリング
--点群に対して再帰反射テープの形状情報を元にクラスタリン...
+ペアの作成
--クラスタリングされた点群に対して看板の形状情報を元に位...
+形状チェック
--ペアの形状情報看板の形状情報を元に看板かどうか識別を行う.
+結果出力
以降は提案手法の大まかな流れに沿って述べる.
述べる際に図5の地点で観測した点群を用いて処理ごとに点群画...
***点群の下処理 [#s22f2ab4]
入力された観測された点群に対して下処理を行う.
まず入力された点群の中で距離が1〜10mにある点群のみを抽出...
点群の距離が離れれば離れるほど点群の解像度が低くなるため...
そのことから点群が高い解像度を保った状態で処理ができるよ...
また,点群との距離が離れることによって点群の欠損が生じ,正...
次に距離によって抽出された点群の中にある再帰反射テープだ...
再帰反射テープは他の物体に比べて反射強度が高い値を返すため,
距離によって抽出された点群の内,反射強度の高い点群を抽出す...
最後に抽出された点群に対して高さに関しての昇順ソートを行う.
この後にクラススタリングを行う際,点群が高さに関して並んで...
点群に対して下処理を行った結果の点群画像が図8となる.
点群は白でプロットを行ったが,反射強度の高い点群のみ青色で...
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CENTER:図8: 下処理後の点群画像
*** クラスタリング [#n918a696]
点群の下処理の終了後,次は下処理した点群に対してクラスタリ...
クラスタリング処理では再帰反射テープの形状情報に基づいて...
順を追ってクラスタリング処理について述べる.
まず,下処理を行った点群の内基準点となる点を任意に定める.
次にこの点より高い位置にあり,かつ左右0.06m,奥行き0.08mの...
条件を満たす点が見つかった場合,基準点を保存し,条件を満た...
条件を満たす点が見つからなかった場合,保存された点群の高さ...
その点群を再帰反射テープとしてクラスタリングする.
クラスタリングできなかった場合,今の基準点とは異なった任意...
一連の操作を基準点が設定できなくなるまで行う.
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CENTER:図9: クラスタリング後の点群画像
クラスタリング処理を行った結果が図9になる.
クラスタリングされた再帰反射テープごとに色を変更し,プロッ...
***ペアの作成 [#w3e26c1c]
クラスタリング処理の終了後,クラスタリングされた再帰反射テ...
位置が近い同士でペアの作成を行う.
まずクラスタリングされた点群の中から任意の点群を選ぶ.
任意の点群とそれ以外のクラスタリングされた点群を1つ選び点...
位置が近い同士を探索する際に幅だけでなく奥行きの差をチェ...
つくばチャレンジの課題コース中に再帰反射テープ以外の反射...
係が身につけている反射材の部分を再帰反射テープとクラスタ...
幅だけであると正しくペアを作成できない可能性がある.
そのため,奥行きの差をチェックすることで正しくペアの作成が...
求めた幅と奥行きの差が閾値に収まったらその点群同士は同一...
その後,任意の点群を選び直し同様の操作を行う.
閾値に収まらなかった場合,任意の点群はそのまま変更をせず,...
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CENTER:図10: ペア作成後の点群画像
ペアの作成を行った結果が図10になる.
同一看板上にあるとしペアになった点群は同色でプロットされ...
*** 形状チェック [#aac086f6]
ペア作成処理の終了後,作成したペアの形状情報と看板の形状情...
ペアの形状情報を求める.
ペアになったクラスタリングされた点群の1番高い位置にある点...
その後,1番高い点同士,1番低い点同士の幅を求める.
次にペアとなっているクラスタリングされた点群の高さを求める.
求めたペアの幅とクラスタリングされた点群の高さが看板の形...
形状情報に基づいた判定処理終了後,求めたペアの幅とクラスタ...
領域内の点群が設定した閾値を超えたら看板として検出を行う.
CENTER:#ref(002218.png,center,100%)
CENTER:図11: 形状チェック後の点群画像
形状チェック結果が図11になる.
作成した結果画像では看板として検出した点群に対して赤い矩...
*評価実験 [#q732f604]
** データセット [#ga38959e]
本実験では,つくばチャレンジの実験走行,大学構内で行った走...
ログデータとして3D-LiDARで取得した3次元位置情報をポイント...
このテキスト形式ファイルを読み込んで3次元位置情報,反射強...
実験で用いるログデータでは経路封鎖看板の点群が含まれてい...
つくばチャレンジでは,課題コース内で反射材が貼付されたゼッ...
ゼッケンの反射材部分の反射強度が再帰反射テープと同等な値...
ゼッケン部分を検出するかどうかを検証する.
ログデータ総数800個での実験を行った.
ログデータの内訳として,経路封鎖看板が含まれているデータが...
経路封鎖看板が含まれていないログデータは406個を用いる.
** 実験結果 [#i3fc3f50]
今回は点群画像を作成し,
作成した点群画像に対して検出結果を描画することで検出結果...
提案手法で述べた通り,結果画像となる点群画像では赤い矩形が...
実験の結果として点群画像上で表示される経路封鎖看板が検出...
経路封鎖看板以外のものを経路封鎖看板として検出してしまっ...
正解,不正解の捉え方として経路封鎖看板そのものを検出できて...
そのため,正解,不正解が混在する場合がある.
本実験での正誤例を図12,図13,図14で示す.
検出結果の分類として誤検出例を用意したが本実験では誤検出...
誤検出例の図は用いない.
図12では図中に含まれている2つの経路封鎖看板の点群に対して...
図13のように図中に含まれている2つの経路封鎖看板を検出でき...
2つの経路封鎖看板が存在していてもどちらか片方しか検出でき...
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CENTER:図12: 正解画像例
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CENTER:図13: 不正解画像例
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CENTER:図14: 正解と不正解が混在する画像例
|CENTER:データ数|CENTER:看板数|CENTER:検出数|CENTER:未検...
|394|791|666|125|0|84.197%|
CENTER:表1: 経路封鎖看板を含むログデータ群での検出結果
|CENTER:データ数|CENTER:看板数|CENTER:検出数|CENTER:未検...
|406|0|0|0|0|0%|
CENTER:表2: 経路封鎖看板を含まないログデータ群での検出結果
表1は経路封鎖看板を含むログデータ群394個を用いて行った実...
経路封鎖看板791個に対して検出率84.197%という結果になった.
表2は経路封鎖看板を含まないログデータ群406個に対して誤検...
結果に関する考察については考察にて述べる.
*考察 [#kc8f8074]
**未検出について [#i14b7ad0]
未検出について経路封鎖看板の傾きが距離による点群の欠損の2...
この2つの条件について順に述べていく.
***経路封鎖看板の傾きについて [#be10e219]
経路封鎖看板の傾きによって未検出になってしまったことに関...
図15のようにカーブ上に経路封鎖看板が設置された場合での提...
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CENTER:図15: 点群の観測地点
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CENTER:図16: 図15地点での検出
図16から経路封鎖看板の点群が検出できていることが見られる...
経路封鎖看板が傾いていることから正面から経路封鎖看板を計...
提案手法では再帰反射テープの点群から得られる情報を用いる.
したがって経路封鎖看板の点群を経路封鎖看板として検出する...
経路封鎖看板の傾きがあると再帰反射テープの点群が計測でき...
提案手法では経路封鎖看板に貼付された再帰反射テープの点群...
経路封鎖看板の点群が取得できていたとしても,
再帰反射テープの点群が取得されていないと検出できない.
***距離による点群の欠損について [#c3941276]
距離による点群の欠損によって未検出になってしまったことに...
図17のように離れた経路封鎖看板の点群でも提案手法での検出...
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CENTER:図17: 点群の観測地点
CENTER:#ref(002365.png,center,100%)
CENTER:図18: 図17地点での検出
CENTER:#ref(dist2365.png,center,100%)
CENTER:図19: 図17地点での距離による色分けの点群画像
右側の経路封鎖看板の点群は計測できているが,左側の経路封鎖...
計測できている点群も貼付されている再帰反射テープの点群が...
したがって経路封鎖看板の検出ができていない.
また,別の未検出パターンとして,再帰反射テープの点群が計測...
形状識別をする際に領域内にある経路封鎖看板の点群が少ない...
考えられる原因として距離による経路封鎖看板の点群の欠損が...
本実験で用いた3D-LiDARでは約200mまで計測することができる.
しかし,距離が離れると点群の解像度が低下しまい,検出に必要...
このタイプの未検出については閾値の設定を緩めることで検出...
閾値の設定を緩めると問題が生じる.
誤検出が発生してしまう.
そのことから未検出に対処するために閾値を緩めることが良い...
**誤検出について [#o93f36d6]
提案手法での誤検出に関して述べる.
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CENTER:図20: 点群の観測地点
CENTER:#ref(000306.png,center,100%)
CENTER:図21: 図17地点での検出
再帰反射テープ以外で高い反射強度を示す図20のように反射材...
反射材部分の点群は反射強度の高い点群として抽出されてしまう.
そのため経路封鎖看板以外の点群を検出してしまう可能性があ...
しかしながら,提案手法での実験では誤検出が0という結果にな...
考えられる要因としては閾値の設定を厳しく設定したことが挙...
図21では反射材の部分が再帰反射テープとしてクラスタリング...
しかし,経路封鎖看板としては検出されていない.クラスタリン...
形状チェックで排除できている.形状チェックの閾値を厳しく設...
そのため,本実験で設定した閾値より低く設定することで誤検出...
厳しい閾値によって本来検出するべき経路封鎖看板も排除され...
実験に用いたデータセットではこのような反射材を経路封鎖看...
誤検出を出さないような閾値に設定した結果,検出率は高いと結...
しかし,先に述べた通り閾値を低く設定し検出率の向上を図ると...
*まとめ [#jb0c0073]
本論文では,つくばチャレンジにおける経路封鎖迂回課題達成の...
提案手法では,経路封鎖看板に貼付されている再帰反射テープの...
形状情報に基づいた3D-LiDARでの検出を行った.
提案手法の流れとして,まず3D-LiDARで観測した点群の内距離が...
距離で抽出された点群の内反射強度の高い点群を抽出すること...
次に再帰反射テープの形状情報に基づいたクラスタリングを行...
クラスタリングされた点群の内距離が近いもの同士でペアの作...
最後に作成したペアの形状情報と経路封鎖看板の形状情報で経...
画像での検出手法も存在するが,屋外での検出になるため環境光...
評価実験では,実際につくばチャレンジでの実験走行,大学構内...
提案手法がつくばチャレンジの経路封鎖迂回課題達成のための...
今後の課題として,検出率の向上が挙げられる.提案手法では極...
そのため検出率の向上を目指すために誤検出への対処等を新た...
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