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[[太田研 公開用Wiki]]
#contents
*序論 [#i32942b5]
**研究背景 [#v82775f0]
私が所属する群馬大学大学院理工学府太田研究室は,
自律走行ロボットの公開実験会「つくばチャレンジ」に参加し...
つくばチャレンジとは,実環境における自律走行技術の進歩を...
つくば市内の市街地でロボットが自律走行する公開実験会であ...
実環境とは歩道や公園といった人々が普段使っている空間であ...
実環境においてロボットは単に自律走行するのみならず,安全...
つくばチャレンジでは選択課題のひとつとして「経路封鎖迂回...
この課題では公園内の遊歩道上に図\ref{img:signboard}のよう...
自律走行ロボットは経路封鎖看板が設置された道を通り抜ける...
他の経路に迂回しなければならない.
また,経路封鎖看板の設置場所は事前に知らされない.
従って,この課題の達成には経路封鎖看板を自律走行ロボット...
\begin{figure}[h] % 図の位置
\centering
\includegraphics[height=0.3\vsize]{fig/signboard.png}
\caption{つくばチャレンジにおける経路封鎖看板}
\label{img:signboard}
\end{figure}
経路封鎖看板には特定の色で特定の図形と文字がかかれている.
よって,経路封鎖看板はカメラを使って検出することができる.
一方,経路封鎖看板の両端には再規制反射テープが貼り付けら...
再規制反射テープはLiDARで見たときに高い反射強度で写る.
よって,経路封鎖看板の検出にはLiDARを用いる方法も考えられ...
更に,カメラとLiDARを組み合わせる方法も考えられる.
しかし現状,カメラとLiDARを比較するとLiDARは高価である.%...
従って,カメラのみで経路封鎖看板の検出を行うのが望ましい.
**研究目的 [#m7b54945]
画像から経路封鎖看板を検出するには,まず部分画像を経路封...
経路封鎖看板の画像を識別するには,
画像から特徴量と呼ばれるベクトルを計算し,これを機械学習...
特徴量の計算には後述するようにいくつかの手法が考えられる.
本研究ではこれらの手法を比較し,経路封鎖看板の識別におけ...
経路封鎖看板の検出は,
自律走行ロボット搭載のカメラで経路封鎖看板が見えてから
自律走行ロボットが経路封鎖看板を通過する迄の間に確実に完...
つまり経路封鎖看板の識別には,精度はさることながら,高い...
一方で,自律走行ロボットは二次電池で駆動していて電源に限...
従って,自律走行ロボットに搭載できる計算資源は自ずと制限...
加えて, 貴重な計算資源を自律走行に必要な他のソフトウェア...
以上から,経路封鎖看板を識別する手法の比較に当たっては,...
以降,第\ref{sec:method}章で経路封鎖看板の画像を識別する...
第\ref{sec:experiment_and_result}章には各特徴量を用いて画...
そして,第\ref{sec:consideration}章で実験結果に対して考察...
第\ref{sec:conclusion}章で結言を述べる.
*経路封鎖看板の識別手法 [#yb1e889b]
経路封鎖看板の画像識別には特徴量と機械学習を用いる.
画像識別の手順については第\ref{sec:algorithm}節で,
特徴量については第\ref{sec:features}節でそれぞれ説明する.
第\ref{sec:objective}節で述べたように本研究では識別速度を...
機械学習アルゴリズムにはディープニューラルネットワーク等...
サポートベクターマシン(SVM)を採用した.
SVMについては第\ref{sec:svm}節で説明する.
**手順 [#d611bd7d]
まずSVMの学習を行う.
事前に経路封鎖看板の画像とそれ以外の画像を多数集めておく.
また,それぞれの画像が経路封鎖看板か否かのラベルも用意し...
そしてひとつずつ画像から特徴量を計算し,その画像のラベル...
学習の手順のフローチャートを図\ref{fig:learning}に示す.
経路封鎖看板の画像を識別する際には,画像から特徴量を計算...
特徴量をSVMに入力し経路封鎖看板か識別する.
識別の手順のフローチャートを図\ref{fig:classifying}に示す.
\begin{figure}[h]
\begin{tabular}{cc}
\begin{minipage}{0.45\hsize}
\centering
\includegraphics[scale=0.6]{fig/algorithm_of_Le...
\caption{学習の手順}
\label{fig:learning}
\end{minipage} &
\begin{minipage}{0.45\hsize}
\centering
\includegraphics[scale=0.6]{fig/algorithm_of_cl...
\caption{識別の手順}
\label{fig:classifying}
\end{minipage}
\end{tabular}
\end{figure}
**特徴量 [#z53f25f7]
特徴量とは画像から計算され,画像の特徴を表現した数値であ...
画像から特徴量を計算することを,特徴量を抽出するという.
画像のどのような情報を特徴として表現するかによって様々な...
屋外の物体が写った画像を識別するのに有力な特徴量として,
画像の輝度情報を使ったHOG特徴やLBP特徴がこれまでに提案さ...
HOG特徴については第\ref{sec:hog}項で,LBP特徴については第...
本研究の識別対象である経路封鎖看板に赤や黄色などの原色が...
私はこのことに着目し,
色情報を活かした特徴量として色相ヒストグラム特徴を用いた.
色相ヒストグラム特徴については第\ref{sec:hh}項で説明する.
なお,以下で説明するいずれの特徴量の計算に於いても,
画像をセルと呼ばれる格子状の領域に分割し計算する.
そしてセル毎にヒストグラムを計算し,それらを結合したもの...
こうすることで特徴の画像上の位置情報を大まかに用いること...
***HOG特徴 [#m2cbcad2]
HOG (Histograms of Oriented Gradients) 特徴は,
画像の輝度勾配のヒストグラムを特徴量としたものである\cite...
輝度勾配とは隣り合った画素の明るさの変化の方向とその強さ...
画像の輝度は撮影時の照明変化によって大きく変動する.
しかし輝度の勾配,即ち隣り合った画素値の変化量であれば照...
そのためHOG特徴は原理的に照明変化に堅牢であり,
屋外で撮影された画像の識別に適していると言える.
但し,後述するように勾配の計算には逆正接や平方根が含まれ...
そのため,LBP特徴や色相ヒストグラム特徴と比較するとHOG特...
''計算法''~
以下にHOG特徴の詳細な計算方法を述べる.また,計算方法の概...
まず入力画像はグレースケールに変換しておく.
これを画像$I$とする.
次に$I$をセルに分割する. % ここでいいのか?
続いて各画素の輝度勾配と勾配強度を以下のように計算...
$I$上のある画素$(x,y)$に隣接する4画素は
$(x,y-1),(x-1,y),(x+1,y),(x,y+1)$と表せる.
また,$(x,y)$の画素値は$I_{x,y}$と表す.
ここで,$(x,y)$における
$x$軸方向の勾配$d_x(I_{x,y})$を式\ref{eq:dx}のよう...
$y$軸方向の勾配$d_y(I_{x,y})$を式\ref{eq:dy}のよう...
\begin{align}
d_x(I_{x,y}) := I_{x+1,y}-I_{x-1,y}, \label{eq:dx...
d_y(I_{x,y}) := I_{x,y+1}-I_{x,y-1}. \label{eq:dy}
\end{align}
これらを用いると,$(x,y)$での勾配方向$\theta(I_{x,y...
\begin{align}
\theta(I_{x,y}) := \tan^{-1} \frac{ d_y(I_{x,y}) ...
\end{align}
また,勾配強度$M(I_{x,y})$は式\ref{eq:magnitude}の...
\begin{align}
M(I_{x,y}) := \sqrt{ d_x(I_{x,y})^2 + d_y(I_{x,y}...
\end{align}
以上より,$I$上の画素$(x,y)$での輝度勾配$\theta(I_{...
そして$\theta(I_{x,y})$に応じたヒストグラムのビンに...
これは勾配方向を勾配強度で重み付けしながら集計する...
これを全画素に対してセル毎に行う.
最後に,各セルで求められたヒストグラムを連結したも...
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.5]{fig/calculation_of_HO...
\caption{HOG特徴算出の概略図}
\label{fig:hog}
\end{figure}
\clearpage
\subsection{LBP特徴}\label{sec:lbp}
LBP (Local Binary Pattern) 特徴は,輝度勾配を計算す...
注目画素と近傍の8つの画素を比較したときの輝度の大小...
画素同士の輝度の大小関係は撮影時の照明が変化しても...
そのためLBP特徴は,HOG特徴と同様,原理的に照明変化...
\subsubsection{計算法}
以下にLBP特徴の詳細な計算方法を述べる.また,計算方...
まず,HOG特徴同様,画像をセルに分割する.
続いて,全ての画素に対して次の処理を行う.
\begin{enumerate}
\item 注目画素の8近傍画素それぞれを,注目画素より...
\item それら8近傍画素の評価をビット列と見做す.
\end{enumerate}
ここで8近傍画素の順番は,左上の画素を最下位ビットと...
このようにしてできたビット列が注目画素のLocal Binar...
% この処理の具体例を後述する.
% 数式も入れたほうがいいか?
% それら近傍画素の評価をビット列と見做したときの, H...
そして,全画素のLocal Binary Patternを集計しヒスト...
ここで,Local Binary Patternは8近傍画素から生成され...
そこでヒストグラムのビンも256個としている.
ヒストグラムは,HOG特徴と同様,セル毎に生成する.
最後に,各セルで求められたヒストグラムを連結したも...
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.5]{fig/calculation_of_HL...
\caption{LBP特徴算出の概略図}
\label{fig:lbp}
\end{figure}
\subsubsection{具体例}
以下に図\ref{fig:lbp}を用いて,ある画素からLocal Bi...
ある注目画素の画素値が95だったとする.
この95を閾値とし,8近傍画素を以下の様に時計回りに評...
\begin{enumerate}
\item 注目画素の左上の画素値は243で,閾値より大き...
\item 注目画素の直上の画素値は210で,閾値より大き...
\item 注目画素の右上の画素値は43で,閾値より小さ...
\end{enumerate}
\centerline{\vdots}
この様に8近傍画素を二値で評価していき,これらをリト...
\texttt{01000011}となる.
以上より,この画素におけるLocal Binary Patternは\te...
\clearpage
\subsection{色相ヒストグラム特徴}\label{sec:hh}
色相ヒストグラム特徴は,
画像をHSV表色系で表したときの各画素の色相をヒストグ...
画素の色情報は一般的にRGB表色系で表される.
RGB表色系では光の3原色である赤・緑・青それぞれの強...
一方,色情報は色相(Hue)・彩度(Saturation)・明度(Val...
HSV表色系では図\ref{fig:hsv}に示すように,% 図作ら...
これら3つの値で色情報を表現する.
% HSVについて説明.独立させる?
色相は角度で表される.光の3原色の赤を\ang{0},緑を\...
RGB表色系からHSV表色系への変換は,後述するように,...
従って,HOG特徴と比較すると色相ヒストグラム特徴は高...
% 明度無視で照明変化に堅牢について書く?
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.7]{fig/hsv.jpg}
\caption{HSV色空間}
\label{fig:hsv}
\end{figure}
この特徴量は先行研究\cite{Kanai}で用いられた特徴量...
本研究では先行研究で用いられた特徴量に,
画像をセルに分割する,画素をヒストグラムに算入する...
\clearpage
\subsubsection{計算法}
以下に色相ヒストグラム特徴の詳細な計算方法を述べる...
まず,画像をRGB表色系からHSV表色系に変換する.
変換には全画素に対し以下の計算を行う.
ある画素の持つ3つの値$R,G,B$のうち最大のものをMAXと...
このとき,この画素の色相$H$は式\ref{eq:hue},彩度$S...
\begin{align}
H &=
\begin{dcases}
\ang{60} \times \frac{G-B}{\mathrm{MAX}-\mathrm...
\ang{60} \times \frac{B-R}{\mathrm{MAX}-\mathrm...
\ang{60} \times \frac{R-G}{\mathrm{MAX}-\mathrm...
\mathrm{undefined} & \mathrm{if}\ \mathrm{MAX} ...
\end{dcases}\label{eq:hue}\\
S &= \mathrm{MAX}-\mathrm{MIN}.\label{eq:sat}\\
V &= \mathrm{MAX}.\label{eq:val}
\end{align}
以上より,画像中の全画素をHSV表色系に変換できる.
続いて,各画素の$H$に応じたヒストグラムのビンに$S$...
これは色相を彩度で重み付けしながら集計することを意...
% 鮮やかな色の影響が大きく、淡い色は影響が小さくな...
ヒストグラムは,上記の特徴量と同様,セル毎に生成す...
最後に,各セルで求められたヒストグラムを連結したも...
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.5]{fig/calculation_of_Ho...
\caption{色相ヒストグラム特徴算出の概略図}
\label{fig:HoHue}
\end{figure}
\subsubsection{適用例}
ここで,画像から計算した色相ヒストグラムの例を示す.
経路封鎖看板の写った画像の内,
明るくはっきり写った画像を図\ref{fig:clear_signboar...
そして,
図\ref{fig:clear_signboard}の1つ目のセルから計算し...
同様に,経路封鎖看板の写った画像の内,
暗くぼやけた画像を図\ref{fig:unclear_signboard}に,
その1つ目のセルから計算した色相ヒストグラムを図\ref...
また,経路封鎖看板でない画像を図\ref{fig:different_...
その1つ目のセルから計算した色相ヒストグラムを図\ref...
図\ref{fig:clear_hh}と図\ref{fig:unclear_hh}はヒス...
そして,これらは図\ref{fig:different_hh}とは概形が...
以上から,
図\ref{fig:clear_signboard},\ref{fig:unclear_signb...
SVMで充分正しく識別できると期待できる.
\clearpage
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[height=0.25\vsize]{fig/signboard...
\caption{経路封鎖看板の明瞭な画像}
\label{fig:clear_signboard}
\end{figure}
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.7]{fig/clear_hh.png}
\caption{経路封鎖看板の明瞭な画像の第1セルにおけ...
\label{fig:clear_hh}
\end{figure}
\clearpage
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[height=0.25\vsize]{fig/signboard...
\caption{経路封鎖看板の不明瞭な画像}
\label{fig:unclear_signboard}
\end{figure}
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.7]{fig/unclear_hh.png}
\caption{経路封鎖看板の不明瞭な画像の第1セルにお...
\label{fig:unclear_hh}
\end{figure}
\clearpage
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[height=0.25\vsize]{fig/different...
\caption{経路封鎖看板でない画像}
\label{fig:different_signboard}
\end{figure}
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.7]{fig/different_hh.png}
\caption{経路封鎖看板でない画像の第1セルにおける...
\label{fig:different_hh}
\end{figure}
\clearpage
\section{サポートベクターマシン}\label{sec:svm}
サポートベクターマシン (SVM) とは,データを2つのクラ...
% 識別境界はデータ空間上の超平面で表される.
% データを2クラスに分類する超平面を求める手法である.
% データはベクトルで表される.
説明のためにデータ空間が2次元のときの例を図\ref{fig:s...
それぞれのクラスで識別境界と識別境界に最も近いデータ...
SVMの学習とは,データからマージンが最大になる識別境界...
ここでマージンを最大化するのは,未知のデータに対して...
このような未知のデータに対しても識別できる性能を汎化...
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.6]{fig/linearly_separable....
\caption{線形な識別境界で分離できるデータセット}
\label{fig:separable}
\end{figure}
さて,上記の例ではデータを線形な識別境界で分離できる...
% このような前提で動くSVMをハードマージンSVMという.
しかし実際のデータは図\ref{fig:inseparable}のようにデ...
そこでソフトマージンSVMと非線形識別境界を用いる.
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.6]{fig/linearly_inseparabl...
\caption{線形な識別境界では分離できないデータセット}
\label{fig:inseparable}
\end{figure}
\subsection{ソフトマージンSVM}
ソフトマージンSVMとは,ある程度誤分類を許容して,線...
誤分類をどの程度許容するかを決めるハイパーパラメタ...
コストパラメタ$C$が小さいほど誤分類を許容する.
$C$は大きくしすぎると過学習を起こす.
過学習とは学習データのみに適応した識別境界を学習し...
汎化性が失われることである.
\subsection{非線形識別境界}
非線形識別境界とは,線形な識別境界では分離できない...
非線形識別境界を得るために,まずデータをより高次の...
高次元の空間では識別境界が線形に描ける.
こうして決定された識別境界をもとのデータ空間に逆写...
しかしこの手法を順当に実行すると識別境界の決定に膨...
ここで膨大な計算を回避するために用いられるのがカー...
本研究では先行研究\cite{Yamato}に倣い,カーネル関数...
RBFカーネルにはハイパーパラメタとして$\gamma$がある.
$\gamma$が小さいほど識別境界は単純になり,
大きいほど複雑になる.
*特徴量 [#m0934aea]
終了行:
[[太田研 公開用Wiki]]
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*序論 [#i32942b5]
**研究背景 [#v82775f0]
私が所属する群馬大学大学院理工学府太田研究室は,
自律走行ロボットの公開実験会「つくばチャレンジ」に参加し...
つくばチャレンジとは,実環境における自律走行技術の進歩を...
つくば市内の市街地でロボットが自律走行する公開実験会であ...
実環境とは歩道や公園といった人々が普段使っている空間であ...
実環境においてロボットは単に自律走行するのみならず,安全...
つくばチャレンジでは選択課題のひとつとして「経路封鎖迂回...
この課題では公園内の遊歩道上に図\ref{img:signboard}のよう...
自律走行ロボットは経路封鎖看板が設置された道を通り抜ける...
他の経路に迂回しなければならない.
また,経路封鎖看板の設置場所は事前に知らされない.
従って,この課題の達成には経路封鎖看板を自律走行ロボット...
\begin{figure}[h] % 図の位置
\centering
\includegraphics[height=0.3\vsize]{fig/signboard.png}
\caption{つくばチャレンジにおける経路封鎖看板}
\label{img:signboard}
\end{figure}
経路封鎖看板には特定の色で特定の図形と文字がかかれている.
よって,経路封鎖看板はカメラを使って検出することができる.
一方,経路封鎖看板の両端には再規制反射テープが貼り付けら...
再規制反射テープはLiDARで見たときに高い反射強度で写る.
よって,経路封鎖看板の検出にはLiDARを用いる方法も考えられ...
更に,カメラとLiDARを組み合わせる方法も考えられる.
しかし現状,カメラとLiDARを比較するとLiDARは高価である.%...
従って,カメラのみで経路封鎖看板の検出を行うのが望ましい.
**研究目的 [#m7b54945]
画像から経路封鎖看板を検出するには,まず部分画像を経路封...
経路封鎖看板の画像を識別するには,
画像から特徴量と呼ばれるベクトルを計算し,これを機械学習...
特徴量の計算には後述するようにいくつかの手法が考えられる.
本研究ではこれらの手法を比較し,経路封鎖看板の識別におけ...
経路封鎖看板の検出は,
自律走行ロボット搭載のカメラで経路封鎖看板が見えてから
自律走行ロボットが経路封鎖看板を通過する迄の間に確実に完...
つまり経路封鎖看板の識別には,精度はさることながら,高い...
一方で,自律走行ロボットは二次電池で駆動していて電源に限...
従って,自律走行ロボットに搭載できる計算資源は自ずと制限...
加えて, 貴重な計算資源を自律走行に必要な他のソフトウェア...
以上から,経路封鎖看板を識別する手法の比較に当たっては,...
以降,第\ref{sec:method}章で経路封鎖看板の画像を識別する...
第\ref{sec:experiment_and_result}章には各特徴量を用いて画...
そして,第\ref{sec:consideration}章で実験結果に対して考察...
第\ref{sec:conclusion}章で結言を述べる.
*経路封鎖看板の識別手法 [#yb1e889b]
経路封鎖看板の画像識別には特徴量と機械学習を用いる.
画像識別の手順については第\ref{sec:algorithm}節で,
特徴量については第\ref{sec:features}節でそれぞれ説明する.
第\ref{sec:objective}節で述べたように本研究では識別速度を...
機械学習アルゴリズムにはディープニューラルネットワーク等...
サポートベクターマシン(SVM)を採用した.
SVMについては第\ref{sec:svm}節で説明する.
**手順 [#d611bd7d]
まずSVMの学習を行う.
事前に経路封鎖看板の画像とそれ以外の画像を多数集めておく.
また,それぞれの画像が経路封鎖看板か否かのラベルも用意し...
そしてひとつずつ画像から特徴量を計算し,その画像のラベル...
学習の手順のフローチャートを図\ref{fig:learning}に示す.
経路封鎖看板の画像を識別する際には,画像から特徴量を計算...
特徴量をSVMに入力し経路封鎖看板か識別する.
識別の手順のフローチャートを図\ref{fig:classifying}に示す.
\begin{figure}[h]
\begin{tabular}{cc}
\begin{minipage}{0.45\hsize}
\centering
\includegraphics[scale=0.6]{fig/algorithm_of_Le...
\caption{学習の手順}
\label{fig:learning}
\end{minipage} &
\begin{minipage}{0.45\hsize}
\centering
\includegraphics[scale=0.6]{fig/algorithm_of_cl...
\caption{識別の手順}
\label{fig:classifying}
\end{minipage}
\end{tabular}
\end{figure}
**特徴量 [#z53f25f7]
特徴量とは画像から計算され,画像の特徴を表現した数値であ...
画像から特徴量を計算することを,特徴量を抽出するという.
画像のどのような情報を特徴として表現するかによって様々な...
屋外の物体が写った画像を識別するのに有力な特徴量として,
画像の輝度情報を使ったHOG特徴やLBP特徴がこれまでに提案さ...
HOG特徴については第\ref{sec:hog}項で,LBP特徴については第...
本研究の識別対象である経路封鎖看板に赤や黄色などの原色が...
私はこのことに着目し,
色情報を活かした特徴量として色相ヒストグラム特徴を用いた.
色相ヒストグラム特徴については第\ref{sec:hh}項で説明する.
なお,以下で説明するいずれの特徴量の計算に於いても,
画像をセルと呼ばれる格子状の領域に分割し計算する.
そしてセル毎にヒストグラムを計算し,それらを結合したもの...
こうすることで特徴の画像上の位置情報を大まかに用いること...
***HOG特徴 [#m2cbcad2]
HOG (Histograms of Oriented Gradients) 特徴は,
画像の輝度勾配のヒストグラムを特徴量としたものである\cite...
輝度勾配とは隣り合った画素の明るさの変化の方向とその強さ...
画像の輝度は撮影時の照明変化によって大きく変動する.
しかし輝度の勾配,即ち隣り合った画素値の変化量であれば照...
そのためHOG特徴は原理的に照明変化に堅牢であり,
屋外で撮影された画像の識別に適していると言える.
但し,後述するように勾配の計算には逆正接や平方根が含まれ...
そのため,LBP特徴や色相ヒストグラム特徴と比較するとHOG特...
''計算法''~
以下にHOG特徴の詳細な計算方法を述べる.また,計算方法の概...
まず入力画像はグレースケールに変換しておく.
これを画像$I$とする.
次に$I$をセルに分割する. % ここでいいのか?
続いて各画素の輝度勾配と勾配強度を以下のように計算...
$I$上のある画素$(x,y)$に隣接する4画素は
$(x,y-1),(x-1,y),(x+1,y),(x,y+1)$と表せる.
また,$(x,y)$の画素値は$I_{x,y}$と表す.
ここで,$(x,y)$における
$x$軸方向の勾配$d_x(I_{x,y})$を式\ref{eq:dx}のよう...
$y$軸方向の勾配$d_y(I_{x,y})$を式\ref{eq:dy}のよう...
\begin{align}
d_x(I_{x,y}) := I_{x+1,y}-I_{x-1,y}, \label{eq:dx...
d_y(I_{x,y}) := I_{x,y+1}-I_{x,y-1}. \label{eq:dy}
\end{align}
これらを用いると,$(x,y)$での勾配方向$\theta(I_{x,y...
\begin{align}
\theta(I_{x,y}) := \tan^{-1} \frac{ d_y(I_{x,y}) ...
\end{align}
また,勾配強度$M(I_{x,y})$は式\ref{eq:magnitude}の...
\begin{align}
M(I_{x,y}) := \sqrt{ d_x(I_{x,y})^2 + d_y(I_{x,y}...
\end{align}
以上より,$I$上の画素$(x,y)$での輝度勾配$\theta(I_{...
そして$\theta(I_{x,y})$に応じたヒストグラムのビンに...
これは勾配方向を勾配強度で重み付けしながら集計する...
これを全画素に対してセル毎に行う.
最後に,各セルで求められたヒストグラムを連結したも...
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.5]{fig/calculation_of_HO...
\caption{HOG特徴算出の概略図}
\label{fig:hog}
\end{figure}
\clearpage
\subsection{LBP特徴}\label{sec:lbp}
LBP (Local Binary Pattern) 特徴は,輝度勾配を計算す...
注目画素と近傍の8つの画素を比較したときの輝度の大小...
画素同士の輝度の大小関係は撮影時の照明が変化しても...
そのためLBP特徴は,HOG特徴と同様,原理的に照明変化...
\subsubsection{計算法}
以下にLBP特徴の詳細な計算方法を述べる.また,計算方...
まず,HOG特徴同様,画像をセルに分割する.
続いて,全ての画素に対して次の処理を行う.
\begin{enumerate}
\item 注目画素の8近傍画素それぞれを,注目画素より...
\item それら8近傍画素の評価をビット列と見做す.
\end{enumerate}
ここで8近傍画素の順番は,左上の画素を最下位ビットと...
このようにしてできたビット列が注目画素のLocal Binar...
% この処理の具体例を後述する.
% 数式も入れたほうがいいか?
% それら近傍画素の評価をビット列と見做したときの, H...
そして,全画素のLocal Binary Patternを集計しヒスト...
ここで,Local Binary Patternは8近傍画素から生成され...
そこでヒストグラムのビンも256個としている.
ヒストグラムは,HOG特徴と同様,セル毎に生成する.
最後に,各セルで求められたヒストグラムを連結したも...
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.5]{fig/calculation_of_HL...
\caption{LBP特徴算出の概略図}
\label{fig:lbp}
\end{figure}
\subsubsection{具体例}
以下に図\ref{fig:lbp}を用いて,ある画素からLocal Bi...
ある注目画素の画素値が95だったとする.
この95を閾値とし,8近傍画素を以下の様に時計回りに評...
\begin{enumerate}
\item 注目画素の左上の画素値は243で,閾値より大き...
\item 注目画素の直上の画素値は210で,閾値より大き...
\item 注目画素の右上の画素値は43で,閾値より小さ...
\end{enumerate}
\centerline{\vdots}
この様に8近傍画素を二値で評価していき,これらをリト...
\texttt{01000011}となる.
以上より,この画素におけるLocal Binary Patternは\te...
\clearpage
\subsection{色相ヒストグラム特徴}\label{sec:hh}
色相ヒストグラム特徴は,
画像をHSV表色系で表したときの各画素の色相をヒストグ...
画素の色情報は一般的にRGB表色系で表される.
RGB表色系では光の3原色である赤・緑・青それぞれの強...
一方,色情報は色相(Hue)・彩度(Saturation)・明度(Val...
HSV表色系では図\ref{fig:hsv}に示すように,% 図作ら...
これら3つの値で色情報を表現する.
% HSVについて説明.独立させる?
色相は角度で表される.光の3原色の赤を\ang{0},緑を\...
RGB表色系からHSV表色系への変換は,後述するように,...
従って,HOG特徴と比較すると色相ヒストグラム特徴は高...
% 明度無視で照明変化に堅牢について書く?
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.7]{fig/hsv.jpg}
\caption{HSV色空間}
\label{fig:hsv}
\end{figure}
この特徴量は先行研究\cite{Kanai}で用いられた特徴量...
本研究では先行研究で用いられた特徴量に,
画像をセルに分割する,画素をヒストグラムに算入する...
\clearpage
\subsubsection{計算法}
以下に色相ヒストグラム特徴の詳細な計算方法を述べる...
まず,画像をRGB表色系からHSV表色系に変換する.
変換には全画素に対し以下の計算を行う.
ある画素の持つ3つの値$R,G,B$のうち最大のものをMAXと...
このとき,この画素の色相$H$は式\ref{eq:hue},彩度$S...
\begin{align}
H &=
\begin{dcases}
\ang{60} \times \frac{G-B}{\mathrm{MAX}-\mathrm...
\ang{60} \times \frac{B-R}{\mathrm{MAX}-\mathrm...
\ang{60} \times \frac{R-G}{\mathrm{MAX}-\mathrm...
\mathrm{undefined} & \mathrm{if}\ \mathrm{MAX} ...
\end{dcases}\label{eq:hue}\\
S &= \mathrm{MAX}-\mathrm{MIN}.\label{eq:sat}\\
V &= \mathrm{MAX}.\label{eq:val}
\end{align}
以上より,画像中の全画素をHSV表色系に変換できる.
続いて,各画素の$H$に応じたヒストグラムのビンに$S$...
これは色相を彩度で重み付けしながら集計することを意...
% 鮮やかな色の影響が大きく、淡い色は影響が小さくな...
ヒストグラムは,上記の特徴量と同様,セル毎に生成す...
最後に,各セルで求められたヒストグラムを連結したも...
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.5]{fig/calculation_of_Ho...
\caption{色相ヒストグラム特徴算出の概略図}
\label{fig:HoHue}
\end{figure}
\subsubsection{適用例}
ここで,画像から計算した色相ヒストグラムの例を示す.
経路封鎖看板の写った画像の内,
明るくはっきり写った画像を図\ref{fig:clear_signboar...
そして,
図\ref{fig:clear_signboard}の1つ目のセルから計算し...
同様に,経路封鎖看板の写った画像の内,
暗くぼやけた画像を図\ref{fig:unclear_signboard}に,
その1つ目のセルから計算した色相ヒストグラムを図\ref...
また,経路封鎖看板でない画像を図\ref{fig:different_...
その1つ目のセルから計算した色相ヒストグラムを図\ref...
図\ref{fig:clear_hh}と図\ref{fig:unclear_hh}はヒス...
そして,これらは図\ref{fig:different_hh}とは概形が...
以上から,
図\ref{fig:clear_signboard},\ref{fig:unclear_signb...
SVMで充分正しく識別できると期待できる.
\clearpage
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[height=0.25\vsize]{fig/signboard...
\caption{経路封鎖看板の明瞭な画像}
\label{fig:clear_signboard}
\end{figure}
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.7]{fig/clear_hh.png}
\caption{経路封鎖看板の明瞭な画像の第1セルにおけ...
\label{fig:clear_hh}
\end{figure}
\clearpage
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[height=0.25\vsize]{fig/signboard...
\caption{経路封鎖看板の不明瞭な画像}
\label{fig:unclear_signboard}
\end{figure}
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.7]{fig/unclear_hh.png}
\caption{経路封鎖看板の不明瞭な画像の第1セルにお...
\label{fig:unclear_hh}
\end{figure}
\clearpage
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[height=0.25\vsize]{fig/different...
\caption{経路封鎖看板でない画像}
\label{fig:different_signboard}
\end{figure}
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.7]{fig/different_hh.png}
\caption{経路封鎖看板でない画像の第1セルにおける...
\label{fig:different_hh}
\end{figure}
\clearpage
\section{サポートベクターマシン}\label{sec:svm}
サポートベクターマシン (SVM) とは,データを2つのクラ...
% 識別境界はデータ空間上の超平面で表される.
% データを2クラスに分類する超平面を求める手法である.
% データはベクトルで表される.
説明のためにデータ空間が2次元のときの例を図\ref{fig:s...
それぞれのクラスで識別境界と識別境界に最も近いデータ...
SVMの学習とは,データからマージンが最大になる識別境界...
ここでマージンを最大化するのは,未知のデータに対して...
このような未知のデータに対しても識別できる性能を汎化...
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.6]{fig/linearly_separable....
\caption{線形な識別境界で分離できるデータセット}
\label{fig:separable}
\end{figure}
さて,上記の例ではデータを線形な識別境界で分離できる...
% このような前提で動くSVMをハードマージンSVMという.
しかし実際のデータは図\ref{fig:inseparable}のようにデ...
そこでソフトマージンSVMと非線形識別境界を用いる.
\begin{figure}[h]
\centering
\includegraphics[scale=0.6]{fig/linearly_inseparabl...
\caption{線形な識別境界では分離できないデータセット}
\label{fig:inseparable}
\end{figure}
\subsection{ソフトマージンSVM}
ソフトマージンSVMとは,ある程度誤分類を許容して,線...
誤分類をどの程度許容するかを決めるハイパーパラメタ...
コストパラメタ$C$が小さいほど誤分類を許容する.
$C$は大きくしすぎると過学習を起こす.
過学習とは学習データのみに適応した識別境界を学習し...
汎化性が失われることである.
\subsection{非線形識別境界}
非線形識別境界とは,線形な識別境界では分離できない...
非線形識別境界を得るために,まずデータをより高次の...
高次元の空間では識別境界が線形に描ける.
こうして決定された識別境界をもとのデータ空間に逆写...
しかしこの手法を順当に実行すると識別境界の決定に膨...
ここで膨大な計算を回避するために用いられるのがカー...
本研究では先行研究\cite{Yamato}に倣い,カーネル関数...
RBFカーネルにはハイパーパラメタとして$\gamma$がある.
$\gamma$が小さいほど識別境界は単純になり,
大きいほど複雑になる.
*特徴量 [#m0934aea]
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