色情報と形状特徴を用いた道路交通標識の認識手法の提案
をテンプレートにして作成
[
トップ
] [
新規
|
一覧
|
検索
|
最終更新
|
ヘルプ
|
ログイン
]
開始行:
[[太田研 公開用Wiki]]
*色情報と形状特徴を用いた道路交通標識の認識手法の提案 [#e...
#contents
*はじめに [#ve114bfd]
交通事故には, 自動車のドライバーの認知・判断の遅れが原因...
これを未然に防ぐために安全運転支援システムの開発が行われ...
このシステムではカメラで自動車の前方を撮影し, 画像処理で...
システムでの検出すべき対象には歩行者や障害物,車線や標識,...
今回はその中でも標識について着目し,その認識について考える.~
標識の認識手法には色情報や形状特徴を用いたものや機械学習...
佐々木氏らは形状特徴を用いたアルゴリズムの中でも高速とさ...
組み合わせることでもともとのSURFよりも高い認識率を得られ...
しかし実際に検証してみると, 太陽光の照明変動等による色の...
本研究では, 上記の手法を従来手法とし従来手法をもとに, ま...
色の変化に影響を受けにくい実環境に適応した認識手法を提案...
*従来手法と問題点 [#m9343722]
従来手法の簡単な流れについて説明する.
ここで標識画像, 車載カメラの画像を入力画像として用意する.~
まず, 入力画像中の色情報を用いて標識があるとする領域(以下...
続いて入力画像のエッジ画像を作成する. マッチングに入力画...
多くの特徴点を検出することが出来る.このとき入力画像のエッ...
そして入力画像のエッジ画像から検された特徴点と標識画像か...
**SURF [#r8c28dce]
SURFとは一般に物体認識や検出などに用いられるアルゴリズム...
CENTER:#ref(Parro.jpg,center)
CENTER:&size(12){図1:SURFによる特徴点検出と画像のマッチン...
&br;
LEFT:SURFは図1のように特徴点と呼ばれる物体の角や交点など...
特徴点には周囲の画素の情報も含まれているため1枚目の画像か...
従来手法では標識の画像にSURFを適用することで標識の認識を...
**エッジ画像による特徴点の増加 [#ge6e7230]
エッジとは, 画像中の色や明るさが急激に変化している部分の...
特に物体の持つ輪郭を示すことが多く, その検出は画像の1次微...
SURFなど特徴点による画像の認識は検出したい特徴点が多いほ...
そこで特徴点の数の増加が課題となるが, 従来手法では特徴点...
図2のような, 入力画像からエッジ検出した画像を用いることで...
#ref(ed.jpg,center)
CENTER:&size(12){図2:入力画像とそのエッジ画像の例};~
&br;
LEFT:標識は視認性を高めるように目立つ色で着色されており, ...
また, 描かれているシンボルもはっきり色分けされているため...
従って標識上に多くの特徴点を検出できる.図3は入力画像とそ...
#ref(ed2.jpg,center)
CENTER:&size(12){図3:入力画像とそのエッジ画像の特徴点数の...
&br;
**色情報による認識候補領域の設定 [#r954b202]
エッジ画像を用いることで特徴点を増やすことに成功し, より...
標識など認識したい物体以外の部分からも特徴点が多く検出さ...
特徴点が多くなる分, 余分な特徴点も増加し,その点が多いほど...
そこで色情報を用いて認識候補領域を作成し, 画像上に現れる...
***色の表色系と認識候補領域 [#r275b354]
認識候補領域を作成するために, まず入力画像中からRGB表色系...
RGB表色系とはコンピュータのモニターなどにも用いられている...
標識を構成する色は赤・青・白としている. 従って画像中から...
ここで白色については画像中に物体が多く存在するため検出し...
赤と青についてそれぞれ下のような条件を設定し, 該当する画...
-赤: Rの画素値がG,Bとそれぞれ30離れている~
-青: Bの画素値がR,Gとそれぞれ30離れている~
図4は入力画像とそこから赤・青を抽出した結果の画像である.
#ref(akaao.jpg,center)
CENTER:&size(12){図4:色情報の抽出};~
&br;
***青空除外処理 [#u4d945fb]
入力画像によっては大きく空が写っているものがあり,そのよう...
空の部分を残したままでは画像中の空から検出された特徴点も...
図4[b]上部分のような赤青抽出画像中に存在する標識よりも大...
そこで赤青抽出画像中の標識のサイズよりも大きい局所的な範...
***クロージング処理とメディアンフィルタ [#y0c232bc]
画像から赤と青の画素を抽出しただけの画像では標識内に隙間...
標識と似たような色を持つ物体など細かいノイズ(ごま塩ノイズ...
このままでは標識の間にできた隙間によって認識候補領域に標...
そこでクロージング処理で隙間を埋め, メディアンフィルタを...
図5は赤と青の画素を抽出後, 形状の修正まで終えた認識候補領...
#ref(al.jpg,center)
CENTER:&size(12){図5:認識候補領域};~
&br;
**道路交通標識のマッチング [#bd47b95d]
以上の処理によってSURFでの検出が可能となる. エッジ画像を...
余分な点を認識候補領域により削除した入力画像のSURF特徴量...
そして対応した特徴点が標識画像に多く集まっていれば,標識画...
図6[a]は図3[b]に認識候補領域を用いたものである.
図3[b]では大量にあった特徴点が認識候補領域に該当する部分...
そしてこれと標識とのマッチングを行なった結果が図6[b]である.
#ref(match.jpg,center)
CENTER:&size(12){図6:色による特徴点絞込及びマッチング結果...
&br;
*提案手法 [#z6095d1f]
実環境下で従来手法を用いて標識の認識を行うと, マッチング...
そこで認識候補領域の作成処理と未検出扱いの画像に手を加え,...
**色情報変更による効果 [#cbaeb870]
従来手法での誤認識の主な原因は照明の変化であり, 些細な光...
そこで従来手法で用いたRGB表色系ではなく, RGB表色系から以...
#ref(shiki.jpg,center)
rg色度は明るさを無視しているので明るさの影響を受けにくい....
#ref(shiki2.jpg,center)
という式を得る.提案手法ではこの条件で2色の抽出を行う.
**認識候補領域の絞込 [#fc7c27b5]
認識候補領域の条件を色情報以外から加える.1つ目が探索範囲...
***探索範囲の指定 [#e4199c90]
認識候補領域は画像全体から作成している.
しかし, 車載カメラから撮影しているため, 画像下方には標識...
そのままだと画像下方に作成された認識候補領域中の特徴点と...
#ref(s.jpg,center)
CENTER:&size(12){図7:探索範囲の指定};~
&br;
LEFT:
そこで, 入力画像中の標識が図7の灰色部分にあるとして,
横:画像左端から65%, 縦:上半分の部分に画像の探索範囲を指...
ここで画像の横幅にも制限を加えたのは自動車が左側走行のた...
また,左折と右折をした場合を考慮し左半分ではなく65%部分と...
***領域の円形度と面積による絞込 [#ub6e8ea8]
認識候補領域は赤青抽出画像に青空除外処理とクロージング処...
そのため色の抽出の具合によっては物体が変な形状で領域に出...
そこで各認識候補領域の輪郭情報から得た面積と周囲長から円...
円形度とはその図形がどれだけ円に近いかを示す値で以下の式...
#ref(shiki3.jpg,center)
円形度は0から1の範囲で値をとる. 真円で最大値1をとり,図形...
今回は認識候補領域中の複雑な形状の図形を取り除くことが目...
**色味変更による再検出処理 [#t2cd520c]
日光の当たり方によっては標識自体の色が暗くなったり, 逆光...
このような場合, 標識がある画像でも認識されないことがある...
そこで認識されなかった画像の全画素のRGB値に対し,R値を1.6...
色味変更を認識されなかった画像に対して行うことにより, 画...
以上から認識候補領域の変化と, 更に特徴点の増加が見込まれる.
色味変更した画像に対し, 今までの処理をもう一度行うことで...
#ref(iro.jpg,center)
CENTER:&size(12){図8:色味変更処理};~
&br;
#ref(iro2.jpg,center)
CENTER:&size(12){図9:色味変更後のマッチング};~
&br;
*実験 [#j3dc9310]
**実験方法 [#tc02e426]
従来手法と提案手法の性能を比較するために次の実験を行う.
-「駐車禁止」による評価
-異なる標識画像による提案手法の評価
***実験準備 [#y4da7950]
画像の認識率と処理時間を性能を比較するための評価項目とし,...
#ref(shiki4.jpg,center)
各実験, 市街地を走行中の自動車から撮影した画像を用いる.
撮影時の画像の大きさは1920×1080であるが, 960×540に画像を...
***「駐車禁止」による評価 [#kfe168c1]
この実験では以下の画像を用いて従来手法・提案手法の性能の...
-[標識画像] 駐車禁止(61×60)
-[入力画像] 駐車禁止が写っている画像100枚・写っていない画...
#ref(nnp.jpg,center)
CENTER:&size(12){図10:標識画像[駐車禁止]};~
&br;
***異なる標識画像による提案手法の評価 [#b68c703a]
この実験では2種類の標識を用いて従来手法・提案手法の性能の...
追い越し禁止
-[標識画像] 追い越し禁止(64×64)
-[入力画像]「追い越し禁止」が写っている画像100枚・写って...
#ref(pps.jpg,center)
CENTER:&size(12){図11:標識画像[追い越し禁止]};~
&br;
止まれ
-[標識画像]止まれ (66×60)
-[入力画像]「止まれ」が写っている画像100枚・写っていない...
#ref(sst.jpg,center)
CENTER:&size(12){図12:標識画像[止まれ]};~
&br;
**実験結果 [#z99cb8ce]
***「駐車禁止」による評価 [#q5e2bd4a]
認識率及び処理時間, 画像の内訳を表に表す.
左から従来手法・提案手法(再検出処理なし)・提案手法(再検出...
表の1番下の項目は(標識有・未検出)画像の誤認識と未検出の内...
#ref(np.jpg,center)
CENTER:&size(12){表1:駐車禁止};~
&br;
LEFT:以下は結果の一例である.
#ref(np2.jpg,center)
CENTER:&size(12){図13:従来手法と提案手法の比較};~
&br;
#ref(np3.jpg,center)
CENTER:&size(12){図14:再検出処理有り無し比較};~
&br;
#ref(np4.jpg,center)
CENTER:&size(12){図15:誤認識・未検出例};~
&br;
***異なる標識画像による提案手法の評価 [#l04f0b42]
なお, ここでの提案手法の実験は再検出処理有りを採用する.
追い越し禁止
#ref(ps.jpg,center)
CENTER:&size(12){表2:追い越し禁止};~
&br;
LEFT:
認識率及び処理時間, 画像の内訳を表に表す.
また, 表の1番下の項目は(標識有・未検出)画像の誤認識と未検...
従来手法と比較すると処理時間は約半分になり, 認識率も上が...
(標識有)画像での誤認識数に従来手法との変化がさほど見られ...
(標識無・未検出)数が増えたことが認識率が上がった理由であ...
#ref(ps2.jpg,center)
CENTER:&size(12){図16:従来手法と提案手法の比較};~
&br;
#ref(ps3.jpg,center)
CENTER:&size(12){図17:誤認識・未検出例};~
&br;
止まれ
認識率及び処理時間, 画像の内訳を表に表す.
また, 表の1番下の項目は(標識有・未検出)画像の誤認識と未検...
#ref(st.jpg,center)
CENTER:&size(12){表3:止まれ};~
&br;
LEFT:表の一番下括弧内の(標識有・未検出)画像の誤認識と未検...
処理時間もそうだが, 認識率が従来手法よりも高くなり性能が...
以下, 比較実験の結果の一例である.
#ref(st2.jpg,center)
CENTER:&size(12){図18:従来手法と提案手法の比較};~
&br;
#ref(st3.jpg,center)
CENTER:&size(12){図19:誤認識・未検出例};~
&br;
*考察 [#c0a023d8]
**「駐車禁止」による評価 [#hc1448f6]
実験を行った結果, 提案手法の有用性を確認できた.
従来手法による実験の誤認識の原因を調べてみると実験に用い...
色情報をRGB表色系からrg色度に変更したことにより, それらの...
また, (標識有・未検出)数の削減と (標識無・未検出)数の増加...
再検出処理を行うことによって標識が写っている画像での提案...
しかし,標識が写っていない画像では元々誤認識数が多かったと...
標識が写っていない画像での誤認識の割合が1.3倍ほどになって...
これは正しく (標識無・未検出)と判定された画像も再検出処理...
標識が写っていない画像での内訳としては, 別の標識の認識を...
認識候補領域の色の抽出時に赤または青のみの標識でも領域の...
また, 標識画像よりも大きな標識のある画像は認識候補領域に...
**異なる標識画像による提案手法の評価 [#mc61c107]
2つの結果を見ると, 「止まれ」では(標識有・検出)と(標識無...
用いた標識の中で「止まれ」は唯一日本語のシンボルである.
そのため独特の形状によって, 検出される特徴点が他の標識よ...
一方, 「追い越し禁止」の結果を見ると他の標識よりも提案手...
「追い越し禁止」の標識の多くは「速度規制」などの標識と一...
その多くが「追い越し禁止」と同じく赤・青・白の3色で構成さ...
そのためにrg色度でも抽出してしまい認識候補領域に含まれて...
#ref(3.jpg,center)
CENTER:&size(12){図20:各標識画像で検出された特徴点};~
&br;
*まとめ [#kbfea062]
本研究では車載カメラ画像を対象とした, 標識の認識手法を提...
提案手法では, 標識をエッジ画像と色情報によりSURFによって...
探索範囲の指定等を行ない認識精度の向上・処理時間の短縮を...
さらにこれらをプログラムで実装した後に実環境下での実験か...
その結果, 3種類の標識において提案手法は従来手法より性能が...
また, 認識率にさほど変化はないといえ, 再検出処理は標識が...
しかし,再検出処理を行うことによって標識が写っている画像で...
今後の課題としては,
-認識対象と同じ色の構成を持つ対象でない標識の誤認識対策
-標識が写っていない画像に対するの再検出処理の対応
-認識対象よりも大きい標識への誤認識対策~
などが挙げられる. また, 入力画像に対しても, 時間帯や場所...
*参考文献 [#n657dd82]
[1] 佐々木栄裕, 今野峻一, 恒川佳隆, "エッジ画像と色情報を...
[2] Herbert Bay, Tinne Tuytelaars, Luc Van Gool, "SURF:Sp...
[3] J. Canny, "A Computational Approach To Edge Detection...
終了行:
[[太田研 公開用Wiki]]
*色情報と形状特徴を用いた道路交通標識の認識手法の提案 [#e...
#contents
*はじめに [#ve114bfd]
交通事故には, 自動車のドライバーの認知・判断の遅れが原因...
これを未然に防ぐために安全運転支援システムの開発が行われ...
このシステムではカメラで自動車の前方を撮影し, 画像処理で...
システムでの検出すべき対象には歩行者や障害物,車線や標識,...
今回はその中でも標識について着目し,その認識について考える.~
標識の認識手法には色情報や形状特徴を用いたものや機械学習...
佐々木氏らは形状特徴を用いたアルゴリズムの中でも高速とさ...
組み合わせることでもともとのSURFよりも高い認識率を得られ...
しかし実際に検証してみると, 太陽光の照明変動等による色の...
本研究では, 上記の手法を従来手法とし従来手法をもとに, ま...
色の変化に影響を受けにくい実環境に適応した認識手法を提案...
*従来手法と問題点 [#m9343722]
従来手法の簡単な流れについて説明する.
ここで標識画像, 車載カメラの画像を入力画像として用意する.~
まず, 入力画像中の色情報を用いて標識があるとする領域(以下...
続いて入力画像のエッジ画像を作成する. マッチングに入力画...
多くの特徴点を検出することが出来る.このとき入力画像のエッ...
そして入力画像のエッジ画像から検された特徴点と標識画像か...
**SURF [#r8c28dce]
SURFとは一般に物体認識や検出などに用いられるアルゴリズム...
CENTER:#ref(Parro.jpg,center)
CENTER:&size(12){図1:SURFによる特徴点検出と画像のマッチン...
&br;
LEFT:SURFは図1のように特徴点と呼ばれる物体の角や交点など...
特徴点には周囲の画素の情報も含まれているため1枚目の画像か...
従来手法では標識の画像にSURFを適用することで標識の認識を...
**エッジ画像による特徴点の増加 [#ge6e7230]
エッジとは, 画像中の色や明るさが急激に変化している部分の...
特に物体の持つ輪郭を示すことが多く, その検出は画像の1次微...
SURFなど特徴点による画像の認識は検出したい特徴点が多いほ...
そこで特徴点の数の増加が課題となるが, 従来手法では特徴点...
図2のような, 入力画像からエッジ検出した画像を用いることで...
#ref(ed.jpg,center)
CENTER:&size(12){図2:入力画像とそのエッジ画像の例};~
&br;
LEFT:標識は視認性を高めるように目立つ色で着色されており, ...
また, 描かれているシンボルもはっきり色分けされているため...
従って標識上に多くの特徴点を検出できる.図3は入力画像とそ...
#ref(ed2.jpg,center)
CENTER:&size(12){図3:入力画像とそのエッジ画像の特徴点数の...
&br;
**色情報による認識候補領域の設定 [#r954b202]
エッジ画像を用いることで特徴点を増やすことに成功し, より...
標識など認識したい物体以外の部分からも特徴点が多く検出さ...
特徴点が多くなる分, 余分な特徴点も増加し,その点が多いほど...
そこで色情報を用いて認識候補領域を作成し, 画像上に現れる...
***色の表色系と認識候補領域 [#r275b354]
認識候補領域を作成するために, まず入力画像中からRGB表色系...
RGB表色系とはコンピュータのモニターなどにも用いられている...
標識を構成する色は赤・青・白としている. 従って画像中から...
ここで白色については画像中に物体が多く存在するため検出し...
赤と青についてそれぞれ下のような条件を設定し, 該当する画...
-赤: Rの画素値がG,Bとそれぞれ30離れている~
-青: Bの画素値がR,Gとそれぞれ30離れている~
図4は入力画像とそこから赤・青を抽出した結果の画像である.
#ref(akaao.jpg,center)
CENTER:&size(12){図4:色情報の抽出};~
&br;
***青空除外処理 [#u4d945fb]
入力画像によっては大きく空が写っているものがあり,そのよう...
空の部分を残したままでは画像中の空から検出された特徴点も...
図4[b]上部分のような赤青抽出画像中に存在する標識よりも大...
そこで赤青抽出画像中の標識のサイズよりも大きい局所的な範...
***クロージング処理とメディアンフィルタ [#y0c232bc]
画像から赤と青の画素を抽出しただけの画像では標識内に隙間...
標識と似たような色を持つ物体など細かいノイズ(ごま塩ノイズ...
このままでは標識の間にできた隙間によって認識候補領域に標...
そこでクロージング処理で隙間を埋め, メディアンフィルタを...
図5は赤と青の画素を抽出後, 形状の修正まで終えた認識候補領...
#ref(al.jpg,center)
CENTER:&size(12){図5:認識候補領域};~
&br;
**道路交通標識のマッチング [#bd47b95d]
以上の処理によってSURFでの検出が可能となる. エッジ画像を...
余分な点を認識候補領域により削除した入力画像のSURF特徴量...
そして対応した特徴点が標識画像に多く集まっていれば,標識画...
図6[a]は図3[b]に認識候補領域を用いたものである.
図3[b]では大量にあった特徴点が認識候補領域に該当する部分...
そしてこれと標識とのマッチングを行なった結果が図6[b]である.
#ref(match.jpg,center)
CENTER:&size(12){図6:色による特徴点絞込及びマッチング結果...
&br;
*提案手法 [#z6095d1f]
実環境下で従来手法を用いて標識の認識を行うと, マッチング...
そこで認識候補領域の作成処理と未検出扱いの画像に手を加え,...
**色情報変更による効果 [#cbaeb870]
従来手法での誤認識の主な原因は照明の変化であり, 些細な光...
そこで従来手法で用いたRGB表色系ではなく, RGB表色系から以...
#ref(shiki.jpg,center)
rg色度は明るさを無視しているので明るさの影響を受けにくい....
#ref(shiki2.jpg,center)
という式を得る.提案手法ではこの条件で2色の抽出を行う.
**認識候補領域の絞込 [#fc7c27b5]
認識候補領域の条件を色情報以外から加える.1つ目が探索範囲...
***探索範囲の指定 [#e4199c90]
認識候補領域は画像全体から作成している.
しかし, 車載カメラから撮影しているため, 画像下方には標識...
そのままだと画像下方に作成された認識候補領域中の特徴点と...
#ref(s.jpg,center)
CENTER:&size(12){図7:探索範囲の指定};~
&br;
LEFT:
そこで, 入力画像中の標識が図7の灰色部分にあるとして,
横:画像左端から65%, 縦:上半分の部分に画像の探索範囲を指...
ここで画像の横幅にも制限を加えたのは自動車が左側走行のた...
また,左折と右折をした場合を考慮し左半分ではなく65%部分と...
***領域の円形度と面積による絞込 [#ub6e8ea8]
認識候補領域は赤青抽出画像に青空除外処理とクロージング処...
そのため色の抽出の具合によっては物体が変な形状で領域に出...
そこで各認識候補領域の輪郭情報から得た面積と周囲長から円...
円形度とはその図形がどれだけ円に近いかを示す値で以下の式...
#ref(shiki3.jpg,center)
円形度は0から1の範囲で値をとる. 真円で最大値1をとり,図形...
今回は認識候補領域中の複雑な形状の図形を取り除くことが目...
**色味変更による再検出処理 [#t2cd520c]
日光の当たり方によっては標識自体の色が暗くなったり, 逆光...
このような場合, 標識がある画像でも認識されないことがある...
そこで認識されなかった画像の全画素のRGB値に対し,R値を1.6...
色味変更を認識されなかった画像に対して行うことにより, 画...
以上から認識候補領域の変化と, 更に特徴点の増加が見込まれる.
色味変更した画像に対し, 今までの処理をもう一度行うことで...
#ref(iro.jpg,center)
CENTER:&size(12){図8:色味変更処理};~
&br;
#ref(iro2.jpg,center)
CENTER:&size(12){図9:色味変更後のマッチング};~
&br;
*実験 [#j3dc9310]
**実験方法 [#tc02e426]
従来手法と提案手法の性能を比較するために次の実験を行う.
-「駐車禁止」による評価
-異なる標識画像による提案手法の評価
***実験準備 [#y4da7950]
画像の認識率と処理時間を性能を比較するための評価項目とし,...
#ref(shiki4.jpg,center)
各実験, 市街地を走行中の自動車から撮影した画像を用いる.
撮影時の画像の大きさは1920×1080であるが, 960×540に画像を...
***「駐車禁止」による評価 [#kfe168c1]
この実験では以下の画像を用いて従来手法・提案手法の性能の...
-[標識画像] 駐車禁止(61×60)
-[入力画像] 駐車禁止が写っている画像100枚・写っていない画...
#ref(nnp.jpg,center)
CENTER:&size(12){図10:標識画像[駐車禁止]};~
&br;
***異なる標識画像による提案手法の評価 [#b68c703a]
この実験では2種類の標識を用いて従来手法・提案手法の性能の...
追い越し禁止
-[標識画像] 追い越し禁止(64×64)
-[入力画像]「追い越し禁止」が写っている画像100枚・写って...
#ref(pps.jpg,center)
CENTER:&size(12){図11:標識画像[追い越し禁止]};~
&br;
止まれ
-[標識画像]止まれ (66×60)
-[入力画像]「止まれ」が写っている画像100枚・写っていない...
#ref(sst.jpg,center)
CENTER:&size(12){図12:標識画像[止まれ]};~
&br;
**実験結果 [#z99cb8ce]
***「駐車禁止」による評価 [#q5e2bd4a]
認識率及び処理時間, 画像の内訳を表に表す.
左から従来手法・提案手法(再検出処理なし)・提案手法(再検出...
表の1番下の項目は(標識有・未検出)画像の誤認識と未検出の内...
#ref(np.jpg,center)
CENTER:&size(12){表1:駐車禁止};~
&br;
LEFT:以下は結果の一例である.
#ref(np2.jpg,center)
CENTER:&size(12){図13:従来手法と提案手法の比較};~
&br;
#ref(np3.jpg,center)
CENTER:&size(12){図14:再検出処理有り無し比較};~
&br;
#ref(np4.jpg,center)
CENTER:&size(12){図15:誤認識・未検出例};~
&br;
***異なる標識画像による提案手法の評価 [#l04f0b42]
なお, ここでの提案手法の実験は再検出処理有りを採用する.
追い越し禁止
#ref(ps.jpg,center)
CENTER:&size(12){表2:追い越し禁止};~
&br;
LEFT:
認識率及び処理時間, 画像の内訳を表に表す.
また, 表の1番下の項目は(標識有・未検出)画像の誤認識と未検...
従来手法と比較すると処理時間は約半分になり, 認識率も上が...
(標識有)画像での誤認識数に従来手法との変化がさほど見られ...
(標識無・未検出)数が増えたことが認識率が上がった理由であ...
#ref(ps2.jpg,center)
CENTER:&size(12){図16:従来手法と提案手法の比較};~
&br;
#ref(ps3.jpg,center)
CENTER:&size(12){図17:誤認識・未検出例};~
&br;
止まれ
認識率及び処理時間, 画像の内訳を表に表す.
また, 表の1番下の項目は(標識有・未検出)画像の誤認識と未検...
#ref(st.jpg,center)
CENTER:&size(12){表3:止まれ};~
&br;
LEFT:表の一番下括弧内の(標識有・未検出)画像の誤認識と未検...
処理時間もそうだが, 認識率が従来手法よりも高くなり性能が...
以下, 比較実験の結果の一例である.
#ref(st2.jpg,center)
CENTER:&size(12){図18:従来手法と提案手法の比較};~
&br;
#ref(st3.jpg,center)
CENTER:&size(12){図19:誤認識・未検出例};~
&br;
*考察 [#c0a023d8]
**「駐車禁止」による評価 [#hc1448f6]
実験を行った結果, 提案手法の有用性を確認できた.
従来手法による実験の誤認識の原因を調べてみると実験に用い...
色情報をRGB表色系からrg色度に変更したことにより, それらの...
また, (標識有・未検出)数の削減と (標識無・未検出)数の増加...
再検出処理を行うことによって標識が写っている画像での提案...
しかし,標識が写っていない画像では元々誤認識数が多かったと...
標識が写っていない画像での誤認識の割合が1.3倍ほどになって...
これは正しく (標識無・未検出)と判定された画像も再検出処理...
標識が写っていない画像での内訳としては, 別の標識の認識を...
認識候補領域の色の抽出時に赤または青のみの標識でも領域の...
また, 標識画像よりも大きな標識のある画像は認識候補領域に...
**異なる標識画像による提案手法の評価 [#mc61c107]
2つの結果を見ると, 「止まれ」では(標識有・検出)と(標識無...
用いた標識の中で「止まれ」は唯一日本語のシンボルである.
そのため独特の形状によって, 検出される特徴点が他の標識よ...
一方, 「追い越し禁止」の結果を見ると他の標識よりも提案手...
「追い越し禁止」の標識の多くは「速度規制」などの標識と一...
その多くが「追い越し禁止」と同じく赤・青・白の3色で構成さ...
そのためにrg色度でも抽出してしまい認識候補領域に含まれて...
#ref(3.jpg,center)
CENTER:&size(12){図20:各標識画像で検出された特徴点};~
&br;
*まとめ [#kbfea062]
本研究では車載カメラ画像を対象とした, 標識の認識手法を提...
提案手法では, 標識をエッジ画像と色情報によりSURFによって...
探索範囲の指定等を行ない認識精度の向上・処理時間の短縮を...
さらにこれらをプログラムで実装した後に実環境下での実験か...
その結果, 3種類の標識において提案手法は従来手法より性能が...
また, 認識率にさほど変化はないといえ, 再検出処理は標識が...
しかし,再検出処理を行うことによって標識が写っている画像で...
今後の課題としては,
-認識対象と同じ色の構成を持つ対象でない標識の誤認識対策
-標識が写っていない画像に対するの再検出処理の対応
-認識対象よりも大きい標識への誤認識対策~
などが挙げられる. また, 入力画像に対しても, 時間帯や場所...
*参考文献 [#n657dd82]
[1] 佐々木栄裕, 今野峻一, 恒川佳隆, "エッジ画像と色情報を...
[2] Herbert Bay, Tinne Tuytelaars, Luc Van Gool, "SURF:Sp...
[3] J. Canny, "A Computational Approach To Edge Detection...
ページ名: