ICPマッチングを使用した高精度点群地図生成手法の開発
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[[太田研 公開用Wiki]]
#contents
*はじめに [#b144bd0c]
**研究背景 [#vcbb2b52]
近年自動走行技術が我々の生活に身近になり,その技術への需要...
しかし,自動走行技術への需要は自動車だけでなくロボットにお...
最近では飲食店にて自動で動く配膳ロボットを見ることもめず...
当研究室では,そのような自動で動くロボット"自律走行ロボッ...
株式会社revastより提供されており,このmercuryを使い,
自立走行ロボットの実験走行会である,"つくばチャレンジ"に参...
つくばチャレンジとは,ロボットを自立走行させ,指定コースを...
ロボット開発の中で得た,技術や知見を共有することで,自立走...
当研究室では,自立走行に必要な技術をソフトウェア(モジュー...
プロジェクトメンバーで分担し,つくばチャレンジに参加してい...
ロボットが自律的に走行するためには多くのモジュールが必要...
中でも必ず必要となるモジュールに"自己位置推定"がある.
当研究室ではロボットの自己位置推定に"ピラミッドマッチング...
この手法は,予め作成した全体の点群地図に対し,現在のロボッ...
二次元に落とし込み作成した,局所点群地図を重ね合わせること...
全体の点群地図上での位置座標を算出するものである.
本手法では事前にデータを取得し,そのデータから全体点群地図...
自己位置の推定を行うことができない.
したがって自己位置推定には全体の点群地図を事前に作成する...
また,自己位置推定の精度は全体の点群地図の生成精度にも起因...
良い精度で自己位置推定を行う為には,高精度の点群地図を生成...
本研究は,自己位置推定で使用する全体の点群地図を生成するも...
点群地図生成の際に,二種類のマッチング手法"ピラミッドマッ...
使用することで,生成される点群地図の精度を向上させることを...
それぞれのマッチング手法を単体で使用し生成した点群地図と,
両方の手法を用いて生成した点群地図を比較検討する.
*ロボット構成 [#a87c00ae]
**ハードウェア構成 [#y9aab644]
当研究室では株式会社revastから提供されているロボット"merc...
ロボットにはいくつかのセンサーとパソコン,モニターが搭載さ...
当研究室のプロジェクトメンバーがハードウェアのパーツを作...
搭載するソフトウェアの作成のみで,自律走行ロボットの走行実...
"つくばチャレンジ"へ参加している.
CENTER:#ref(mercury_brue.jpg,center,15%)
CENTER:図1: mercury
mercuryには外界を観測するために,LiDARセンサー,単眼カメラ,...
の三つのセンサーが搭載されている.
LiDARは,ロボットの現在位置を推定する目的や,障害物の検知に...
単眼カメラは,色情報で物体を識別する処理に使用している.
また,ソナーセンサーは至近距離障害物の認識に使用する.
上記のセンサーの内,本研究で使用するLiDARについての説明を...
***LiDAR [#g99ce497]
ロボットが人と同様に周囲環境を認識するためには,その為のセ...
例えば,ソナーセンサーでは至近距離物体の有無を認識し,
おおよその距離を測ることができる.
単眼カメラでは,正面の物体の色情報を用いた認識ができること...
信号機の状態を識別することができるなど,
それぞれのセンサーで異なる情報を得ることができる.
CENTER:#ref(lidar.jpg,center,10%)
CENTER:図2: LiDAR
LiDARセンサーとは,「light detection and ranging」の頭文字...
レーザー光を照射しその反射によって認識を行うセンサーである.
LiDARには2D-LiDAR,3D-LiDARが存在し,mercuryにはその両方が...
本研究ではロボット上部に搭載された3D-LiDARのみを使用する.
3D-LiDARはレーザー光が反射した部分を点として取得すること...
これを上下約32°,左右360°取得することで,
周囲環境を3次元の点の集まり"点群"として取得することができ...
この時,距離情報や点ごとの反射強度も同時に取得することがで...
CENTER:#ref(point_cloud.png,center,30%)
CENTER:図3: 点群
上の図3は実際にロボットに搭載された3D-LiDARで取得した点群...
ロボットに搭載されているLiDARの位置が,地上から約1mであり,
LiDARの取得できる点群の範囲が上下約16°づつであることから,
ロボットを中心に半径数mの地面の点群は取得出来ず,
円の形に点が抜けているが,それ以外の部分では正確に物理的特...
取得した点群はロボットを中心に三次元座標で(x,y,z)で表され...
**ソフトウェア構成 [#v33e634a]
***自律走行モジュール [#ea10bed2]
当研究室で使用しているロボットのソフトウェア構成を以下の...
CENTER:#ref(composition.png,center,15%)
CENTER:図4: ソフトウェア構成
CENTER:表1 送受信データ
|点群|Point_Cloud|
|目標地点|Check_Point,Way_Point|
|カメラ画像|Image|
|速度命令|Twist|
|推定ロボット現在位置|Pose|
|走行距離計ロボット現在位置|Odometry|
自律走行の基本の流れとしては,"認識","演算","走行"であり,...
認識には主にLiDARとカメラ画像を用いる.次に認識の結果を用...
LiDARによって認識された点群は,ロボットの現在位置を推定す...
障害物を認識するモジュールに使用され,カメラ画像は色を用い...
この時,自己位置推定モジュールによって算出された推定現在位...
から次に向かうべき方向を決定し,向かうための速度を算出.
最終的に算出した速度をロボットへ送ることで走行を実現して...
図4中で,緑色の枠線で囲われている以下のモジュールは
自律走行に必ず必要となるモジュールである.
-ロボット制御
-経路計画
-障害物検出
-自己位置推定
ロボットの自律走行において,はじめに必要となるモジュールと...
このモジュールはロボットへ速度を送信するもので,この速度命...
タイヤが回転し移動を実現している.
また,速度を計算する際にロボットの進行方向を決定する必要が...
進路決定は"経路計画"で行う.
"経路計画"ではロボットが進むウェイポイント群から,次に進む...
しかし,ロボットが次に進むべき方向を正確に決定するためには,
ロボット自身が現在位置を正確に認識しておく必要がある.
ここで,現在位置を認識するために"自己位置推定"モジュールが...
"自己位置推定"では,自律走行を行う予定の場所で地図を作成し...
現在位置の周囲環境の地図を照合することで行う.
また,進行経路上に障害物がある場合,その障害物の有無も進行...
したがって,上記の処理と同時に"障害物検出"を常に行うことで...
本研究は"自己位置推定"で使用する地図を生成するものである.
それぞれについて以下で述べる.
*自己位置推定 [#ra77ec39]
ロボットの自律走行には図4の通り,多くのモジュールが必要と...
当研究室では,
それぞれのモジュールをプロジェクトメンバーで分担し作成す...
点群地図は,図4上の自己位置推定モジュールに
大きく関係している.本節では自己位置推定と点群地図それぞれ...
またそれらの関係について詳しく述べる.
**点群地図 [#a0b38481]
前に示した通り,当研究室のロボットに搭載されたLiDARを使用...
三次元の点群を取得することができる.この時取得された点の位...
(x,y,z)で表されている.これら点群を鳥瞰で見たものをここで...
CENTER:&ref(point_cloud_trm.png,center,50%); &ref(mi...
CENTER:図5 点群と点群地図
三次元の点群を二次元に落とし込む際に,zの成分が高さ1.0m以...
しているため図5の点群には存在した地面の点が点群地図では消...
またこの時,三次元の点群の座標系はロボット座標系であるのに...
点群を画像へ変換する際に座標系を変換する必要があるが,座標...
CENTER:&ref(robot_cord.png,center,20%); &ref(opencv_...
CENTER:図6:ロボット座標系, OpenCV座標系
CENTER:#ref(cordinate.png,center,100%)
CENTER:図7: 座標変換式
図5は局所的な点群地図であり,自律走行に使用する点群地図は
局所的な点群地図をつなぎ合わせ作成した,大きな範囲の全体点...
CENTER:#ref(global_map_white.png,center,40%)
CENTER:図8: 座標変換式
**自己位置推定 [#ma92b2b9]
人が地図上での現在地を把握するには,現在位置から観測するこ...
地図上のものと照合することで行うことが多い.当研究室で採用...
自己位置推定手法は,人が行っている位置の推定に近い手法であ...
CENTER:#ref(locater.png,center,20%)
CENTER:図9: 位置推定
本研究で作成し用意しておいた全体点群地図に対し,ロボットの...
点群を,局所点群地図へ変換したものを照合することで,ロボッ...
位置座標を算出する.
この時の全体点群地図と局所点群地図を照合する手法には,画像...
マッチング手法については後で述べる.
画像のテンプレートマッチングを用いて位置推定を行うこの手...
2019年のつくばチャレンジでも使用しており位置推定の精度は...
しかし,全体点群地図の完成度によってはマッチングの精度が落...
自己位置推定には高精度な点群地図が必要であることが分かっ...
*点群地図生成 [#f4005c57]
**地図生成処理 [#tb9899d2]
全体点群地図を生成する処理は以下の通りである.
CENTER:#ref(flow.png,center,20%)
CENTER:図10: 地図生成フロー
地図生成を始める準備として,ログデータの取得がある.ここで...
コントローラーを使用してロボットを手動走行させたときに取...
点群データ,ロボットの走行距離計から算出した現在位置情報(...
などをファイルに出力したものを指す.またこのログデータは取...
ごとに取得するように設定してある.
走行中にリアルタイムで地図生成を行う手法も存在するが,
リアルタイム地図生成にはかなりの計算速度が求められる.
本研究では,このような計算速度の問題を考えないために,事前...
取得したログデータを使用しオフラインでの地図生成を行う図1...
Boostライブラリのfile_system
を使用しログデータファイルから点群とオドメトリ情報を抽出,
はじめの位置のログデータと次の位置のログデータでマッチン...
算出した差を用いてはじめの位置へ重ね合わせる.
同様の処理で重ね合わせを数回行った後にノイズ除去を行う.
これら一連の処理を一つ目のログデータから最後のログデータ...
手動走行させた場所の全体点群地図を生成する.
以下ではそれぞれの処理について詳しく述べる.
**ログデータ取得 [#lb6da304]
地図を生成するためには,事前にログデータを取得するプログラ...
今回は実際にロボットに搭載するために,"ROS2"を使用したモジ...
ログデータを取得するプログラム(以降はロガー)を開発した.
開発したロガーには,自動取得モードと手動取得モードが存在す...
自動取得モードは,ロボットが0.5m進むごとにその場のログデー...
手動取得モードはコントローラーのボタンが押された時にその...
地図を作成するために取得するログデータは,自動取得モードで...
手動取得モードは,実際のつくばチャレンジで歩行者信号の画像...
本研究では,つくばチャレンジ指定コース,群馬大学,
それぞれのログデータを自動取得モードで取得し地図生成に使...
**点群マッチング [#o9296fb6]
ファイルからログデータを取得した後,それらデータでマッチン...
ログデータは0.5mごとに取得しており,ロボットのオドメトリ情...
ロボットのおおよその現在位置を算出することができる.しかし...
走行する路面状況によっては多くの誤差を含んでしまう.したが...
点群の重ね合わせを行うことはできない.そこで必要となる処理...
現在のロボット位置から観測される点群と,ひとつ前のロボット...
マッチングを行う.マッチングの結果,現在のロボット位置は一...
どの程度移動したのかという数値を"差"として取得することが...
はマッチングを用いて算出した値であることから,信頼すること...
したがって重ね合わせにはこの信頼することができる"差"を使...
本研究では,点群マッチング手法として代表的な"ICPマッチング...
当研究室のマッチング手法である,"ピラミッドマッチング"の両...
***ICPマッチング [#na0d7d26]
三次元点群の位置合わせに一般的に使用される技術として,
"ICP(iteretive closest point)マッチング"が存在する.
本研究では,二次元点群の位置合わせとして,ICPマッチングを使...
マッチングモジュールを作成した.
ICPマッチングとは,異なる位置で取得された点群p_ref,p_comp,
が与えられたとき,p_compをp_refに位置合わせする回転行列Rと
並進ベクトルtを算出することを目的とし,以下の手順で推定を...
-初期位置合わせ
-対応点探索
-対応点の誤差量算出
-誤差量の最小化
***ピラミッドマッチング [#cfb82070]
太田研究室独自の点群マッチング手法であり,2019年度のつくば...
自己位置推定の手法として用いられていたものである.マッチン...
以下の手順でまず画像の生成を行う.
-点群から画像生成
-同一画素上に定義される点の重複を削除
-画像サイズを小さくする
CENTER:#ref(pyramid_2.png,center,60%)
CENTER:図11: 生成画像群
このようにして生成した画像群のうち,サイズの小さいものから...
相似変換で回転しながら,マッチングを行う手法である.
**重ね合わせ [#b940fd85]
点群地図を作り出すスタートの位置におけるロボットの位置座...
(0,0,0)であり,この数値は誤差の無い数値といえる.
取得したログデータは,このスタート位置から0.5\mごとに取得...
設定されているため,マッチングを用いて徐々に重ね合わせてい...
点群地図を生成することができる.
重ね合わせの具体的な流れは以下の図に示し,下に説明を述べる.
CENTER:#ref(overlay.png,center,20%)
CENTER:図12: 重ね合わせ
pos1 はスタート地点のロボット位置であることから, 真の位置...
はこのスタート位置を中心として, 徐々に拡大していくため, ...
測される点群を, 最終的に全体地図となる”global map”へ格納...
わせのはじめの処理である. pos2 は約0.5m 進んだ位置座標を...
は, ロボットのオドメトリ座標の数値であり, 誤差が含まれて...
の位置で観測される点群と, pos2 の位置で観測される点群でマ...
要がある. マッチングによって算出された差は,pos2 がpos1 か...
るかを表しており, pos1 に差を適用することで真のpos2(pos2"...
できる. pos1 のオドメトリ位置座標を(x1, y1, θ1) とし,
pos1 の真の位置座標(x1", y1", θ1") = (x1, y1, θ1)のとき,p...
真の位置座標(x2", y2", θ2") は,以下の式で表される.
CENTER:#ref(true_pose.png,center,100%)
CENTER:図13: true_pose
pos2 の真の位置座標を用いて,global map への重ね合わせを行...
の位置から観測される点群はpos2 を中心とした相対座標である...
の位置座標pos2” はglobal map の中心, つまりpos1 を中心と...
数値である. したがって,pos2” で観測される点群をpos1 中心...
ることで重ね合わせることができる.
相対座標系の点群座標(ロボットから観測された点群) を(p_rx,...
標系の原点(絶対座標系のロボット位置座標) を(c_rx, c_ry), ...
点群座標を(p_ax, p_ay) とすると, 変換式は以下の通りである.
CENTER:#ref(abs_point.png,center,100%)
CENTER:図14: abs_point
次にpos2 とpos3 のマッチングだが, この時pos2,pos3 は両方...
標である. つまりpos2,pos3 をマッチングし算出した差はオド...
り, 誤差を含んでいると考えられる. したがって,pos2,pos3 の...
うことはできない. しかし,pos2,pos3 の差を使うことで, ロボ...
程度進んだかを判定でき, 一つ前の真の位置座標pos2” に適用...
定位置座標pos3’ を算出することができる. 最後に,pos3’ とgl...
を中心とする点群を切り取り, 切り出した点群でマッチングを...
置座標pos3” を算出することができ, global map へ重ね合わせ...
このようにしてglobal map へ重ね合わせる中で, 同じ座標の点...
上の点群数が存在するとき, その点を登録し, それ以外の点を...
ている. 以上の処理でログデータのはじめから最後までを重ね...
生成する.
*提案手法 [#xbb55e31]
本研究では, 三次元点群の位置合わせに一般的に用いられる, I...
田研究室のマッチング手法である, ピラミッドマッチングの両...
マッチング精度を向上させ, 高精度の点群地図を生成すること...
点群地図生成の, 初期段階として作成したモジュールは以下の...
マッチングのみを使用する構成であった.
CENTER:#ref(map_build_icp.png,center,20%)
CENTER:図15: icp_map_build
pos1,pos2 をICP マッチングし算出した差を用いて,pos2 の真...
真の位置座標から観測される点群の座標系を変換することでglo...
合わせを行う. このとき,ICP マッチングの初期位置合わせには...
と, pos2点群の座標系を合わせることで,行っている. p_ref 座...
原点(ロボット位置座標) を(c_rx, c_ry) とし, p_comp 座標系...
としたとき変換式は以下の通りである.
CENTER:#ref(conversion.png,center,100%)
CENTER:図16: conversion
ICP マッチングのみを用いた点群地図生成の精度は, 期待して...
ものであった. そこで, 本研究の提案手法である, 両方のマッ...
の図のような構成を考えた.
CENTER:#ref(map_build_pyramid_icp.png,center,20%)
CENTER:図17: pyramid_icp_map_build
図15との違いは,ICP マッチングの前にピラミッドマッチングを...
はじめにピラミッドマッチングを行い, おおよその差を算出. ...
チングの初期位置合わせに使用するというものである. ICP マ...
使用する場合には, 初期位置合わせにロボットのオドメトリ座...
ならない. しかしオドメトリ座標は, ロボットが走るほど誤差...
特徴がある. したがって, 初期位置合わせにオドメトリ座標を...
誤差の原因になることが考えられる.
本手法ではオドメトリ座標を使用せず, ピラミッドマッチング...
を使用することで, 初期位置合わせ精度を向上させ, 結果的に...
生成することを目的としている.
ピラミッドマッチングにより算出した差を(dx, dy, dθ), 変換...
(p_x, p_y), p_comp 座標系の点群を(p_cx, p_cy), p_ref 座標...
をθr とすると, 差をICP マッチングの初期位置に適用するため...
である.
CENTER:#ref(conversion_2.png,center,100%)
CENTER:図18: conversion
*評価実験 [#rb447f99]
点群地図生成をするにあたって, 部分的に作成した点群地図と,...
た点群地図, マッチングを考慮しないログデータと, マッチン...
ログデータに分けて, 点群地図生成実験を行った. それぞれの...
-群馬大学
--部分地図
---ICP マッチング単体使用の地図生成
---ピラミッドマッチング単体使用の地図生成
---両方のマッチング使用の地図生
--全体地図
---マッチングを考慮しないログデータ
---マッチングを考慮したログデー
-つくばチャレンジコース
ログデータの取得は全範囲を一度で取得するものではないため,...
分的な単位で分かれている. 部分的な単位で作成した点群地図...
図と呼ぶ. また全体地図はそれら部分的な点群地図をはじめに”...
読み込み, 読み込んだglobal map の上に新しいルートで取得し...
ね合わせることで, 徐々に地図を拡大し, 全体点群地図を生成...
合わせには前に述べた手法と同様のものを用いる.
マッチングを考慮せずに取得したログデータは, マッチングの...
考慮することなく, 走行予定の場所でログを取得したものであ...
には狭い通りや, 曲がり角での回転が多いことや, ログデータ...
がある. これらの特徴はマッチング精度を落としてしまい, 生...
精度を落としてしまう. 逆にマッチングを考慮したログデータ...
い, できる限りマッチングを取りやすいルートを選択したログ...
いる.
本評価実験はマッチング手法による, 生成される点群地図の精...
マッチングを考慮しないログデータと, マッチングを考慮した...
れた全体の点群地図にどのような差があるのか確認するもので...
条件下で作成した点群地図を以下に示す.
*生成結果 [#j2006436]
**群馬大学 [#m175c4d5]
***部分地図 [#s8f2f67d]
群馬大学桐生キャンパス図書館の裏道を通り,4 号館の周りを一...
を戻り,6 号館とプロジェクト棟の間までのログデータ.
CENTER:&ref(icp_cp.png,center,50%); &ref(scan_cp.png...
CENTER:図19:icp, pyramid, pyramid-icp
特徴の現れた部分を拡大した図が以下である.
CENTER:&ref(icp_path.jpg,center,60%); &ref(scan_path...
CENTER:図20:icp, pyramid, pyramid-icp
CENTER:&ref(icp_start.png,center,70%); &ref(scan_sta...
CENTER:図21:icp, pyramid, pyramid-icp
***全体地図 [#b6473dd3]
マッチングを考慮しないログデータ
CENTER:#ref(old_global_map.png,center,50%)
CENTER:図22: 群馬大学
マッチングを考慮したログデータ
CENTER:#ref(new_global_map.png,center,50%)
CENTER:図23: 群馬大学
**つくばチャレンジコース [#e0fa74e1]
CENTER:#ref(tsukuba_1.png,center,50%)
CENTER:図24: 課題コース
一部を拡大したものが以下の図である.
CENTER:&ref(tsukuba_2.png,center,30%); &ref(tsukuba_...
CENTER:図25:課題コース(拡大図)
*考察 [#x7312c2a]
**提案手法 [#cec7a12a]
図20,21を見ると, スタート位置で回転するログデータであるこ...
きる. また, 色の付いている点は推定結果の位置座標である. ...
図21 のICP マッチングには小さな歪みと, 推定結
果位置のバラつきが確認できる. この結果から判断できること...
は回転に弱く, 初期位置の設定が曖昧であると, マッチングが...
とである. これは, 二点群の初期位置があまりに離れると収束...
グの特徴によるものだと考えられる. x, y 方向への並進の剛体...
状がかけ離れることはないが, 回転の変換では数度の回転で大...
マッチングが収束しないほど, 初期位置が離れてしまうことが...
二つ目として, 図20のそれぞれを比較すると, ピラミッドマッ...
出された, ロボットの推定位置が飛んでしまっていることが分...
ピラミッドマッチングは広い範囲で点群を取得することが出来...
ング精度が落ちてしまうということが言える. これはピラミッ...
ゴリズムを考えると, 一番小さいサイズの点群地図で行うマッ...
れが原因だと考えられる.
三つ目として, 図20,21 を見ると, 両方のマッチングを使用し...
のICP マッチングを用いた点群地図, ピラミッドマッチングを...
見られた, 大きなゆがみや, ずれが発生していないことが分か...
たマッチング手法の両方を使用することで, それぞれのマッチ...
ることができている. 以上のことから本研究の提案手法は点群...
えで有効な手段であると考える.
**ログデータの改善 [#vedfc674]
全体地図を生成する際に行ったログデータの改善については, ...
を比較すると, 非常に有効なことが分かる.群馬大学の地図上で...
ショップにかけての細い道において, 図22 では,歪みが発生し...
23では, そのような歪みは見られない. これは,図22を構成して...
一つにつき約1500 から2000 データと多いのに対し,図23を構成...
タのデータ数は約1000 データと少なく, 累積される推定位置の...
が原因だと考えられる. しかし, データ数を減らすことや, 回...
という工夫をするために, いくつもルートを分割しているため,...
なっている. 最終的に生成した,図23の点群地図には特に破綻も...
に使用できる精度で生成出来ていると考える.
**つくばチャレンジコース [#c2b3368f]
つくばチャレンジコースの生成結果は満足できるものでは無か...
拡大した図25を見ると, 推定結果の位置である, マゼンタ色の...
ることが分かる. つくばチャレンジコースは群馬大学よりもさ...
多くなり, 約5000 から6000 データで構成されている. データ...
発生する, 推定位置の累積誤差が大きくなってしまい, 図25 の...
なっている.
本年度のつくばチャレンジでは, ログデータを取得するために...
難しく, 新規にログデータを取得することが出来なかった. 結...
ログデータが, 一周約5000 から6000 データの大きなログデー...
群馬大学と同様にマッチングを考慮したログデータを複数取得...
点群地図生成プログラムでもより良い生成結果になることが考...
*結言 [#z84716a5]
本研究ではロボットの自律走行のための点群地図生成手法を検...
地図生成の際のマッチング手法としては, ICPマッチング, ピラ...
を採用し,本研究ではその両方のマッチング手法を用いた点群地...
点群地図の生成を行った.
それぞれのマッチングの特徴として,ICPマッチングでは,点群を...
マッチングが収束したときの精度は高いが,数万点の点群を扱う...
マッチングの速度は速くない.また,マッチングを取りたい二点...
離れた形状をしていた時,マッチングが収束しないという特徴が...
ピラミッドマッチングでは,点群を画像に変換したものをいくつ...
用意した画像のなかで小さいものからマッチングを行う.
画像を用いてマッチングを行うため,ICPマッチングと比較する...
速度は速いという特徴がある.
それぞれのマッチング手法で作成した地図を比較検討した結果,
ICPマッチングは,回転の多いログデータで破綻が見られ,
ピラミッドマッチングでは,狭い道を通るログデータで破綻が見...
しかし両方のマッチングを使用したものではそのような破綻が...
本研究で提案する手法は点群地図生成手法として有効であると...
また,ログデータの改善に関しては,全体地図を生成する際に非...
群馬大学で,大きな効果を挙げたことから,つくばチャレンジコ...
マッチングを取りやすいルートを選択し,
ログデータを分割して,一つのログデータごとのデータ数を減ら...
破綻の少ない点群地図の生成が可能だと考えられる.
今後の方針としては,本研究で作成した群馬大学の点群地図で自...
使用できるレベルの地図であれば,次につくばチャレンジコース...
現在の地図生成精度ではつくばチャレンジコースを破綻無しで...
ログデータの改善で群馬大学地図を高精度で生成出来たことから,
つくばチャレンジコースのログデータを改善することを試すだ...
しかし,現状ではそのような都合の良いログデータは存在しない...
来年度以降のつくばチャレンジにて,マッチングを取りやすいロ...
点群地図を生成するにあたってはじめにするべきこととなる.
終了行:
[[太田研 公開用Wiki]]
#contents
*はじめに [#b144bd0c]
**研究背景 [#vcbb2b52]
近年自動走行技術が我々の生活に身近になり,その技術への需要...
しかし,自動走行技術への需要は自動車だけでなくロボットにお...
最近では飲食店にて自動で動く配膳ロボットを見ることもめず...
当研究室では,そのような自動で動くロボット"自律走行ロボッ...
株式会社revastより提供されており,このmercuryを使い,
自立走行ロボットの実験走行会である,"つくばチャレンジ"に参...
つくばチャレンジとは,ロボットを自立走行させ,指定コースを...
ロボット開発の中で得た,技術や知見を共有することで,自立走...
当研究室では,自立走行に必要な技術をソフトウェア(モジュー...
プロジェクトメンバーで分担し,つくばチャレンジに参加してい...
ロボットが自律的に走行するためには多くのモジュールが必要...
中でも必ず必要となるモジュールに"自己位置推定"がある.
当研究室ではロボットの自己位置推定に"ピラミッドマッチング...
この手法は,予め作成した全体の点群地図に対し,現在のロボッ...
二次元に落とし込み作成した,局所点群地図を重ね合わせること...
全体の点群地図上での位置座標を算出するものである.
本手法では事前にデータを取得し,そのデータから全体点群地図...
自己位置の推定を行うことができない.
したがって自己位置推定には全体の点群地図を事前に作成する...
また,自己位置推定の精度は全体の点群地図の生成精度にも起因...
良い精度で自己位置推定を行う為には,高精度の点群地図を生成...
本研究は,自己位置推定で使用する全体の点群地図を生成するも...
点群地図生成の際に,二種類のマッチング手法"ピラミッドマッ...
使用することで,生成される点群地図の精度を向上させることを...
それぞれのマッチング手法を単体で使用し生成した点群地図と,
両方の手法を用いて生成した点群地図を比較検討する.
*ロボット構成 [#a87c00ae]
**ハードウェア構成 [#y9aab644]
当研究室では株式会社revastから提供されているロボット"merc...
ロボットにはいくつかのセンサーとパソコン,モニターが搭載さ...
当研究室のプロジェクトメンバーがハードウェアのパーツを作...
搭載するソフトウェアの作成のみで,自律走行ロボットの走行実...
"つくばチャレンジ"へ参加している.
CENTER:#ref(mercury_brue.jpg,center,15%)
CENTER:図1: mercury
mercuryには外界を観測するために,LiDARセンサー,単眼カメラ,...
の三つのセンサーが搭載されている.
LiDARは,ロボットの現在位置を推定する目的や,障害物の検知に...
単眼カメラは,色情報で物体を識別する処理に使用している.
また,ソナーセンサーは至近距離障害物の認識に使用する.
上記のセンサーの内,本研究で使用するLiDARについての説明を...
***LiDAR [#g99ce497]
ロボットが人と同様に周囲環境を認識するためには,その為のセ...
例えば,ソナーセンサーでは至近距離物体の有無を認識し,
おおよその距離を測ることができる.
単眼カメラでは,正面の物体の色情報を用いた認識ができること...
信号機の状態を識別することができるなど,
それぞれのセンサーで異なる情報を得ることができる.
CENTER:#ref(lidar.jpg,center,10%)
CENTER:図2: LiDAR
LiDARセンサーとは,「light detection and ranging」の頭文字...
レーザー光を照射しその反射によって認識を行うセンサーである.
LiDARには2D-LiDAR,3D-LiDARが存在し,mercuryにはその両方が...
本研究ではロボット上部に搭載された3D-LiDARのみを使用する.
3D-LiDARはレーザー光が反射した部分を点として取得すること...
これを上下約32°,左右360°取得することで,
周囲環境を3次元の点の集まり"点群"として取得することができ...
この時,距離情報や点ごとの反射強度も同時に取得することがで...
CENTER:#ref(point_cloud.png,center,30%)
CENTER:図3: 点群
上の図3は実際にロボットに搭載された3D-LiDARで取得した点群...
ロボットに搭載されているLiDARの位置が,地上から約1mであり,
LiDARの取得できる点群の範囲が上下約16°づつであることから,
ロボットを中心に半径数mの地面の点群は取得出来ず,
円の形に点が抜けているが,それ以外の部分では正確に物理的特...
取得した点群はロボットを中心に三次元座標で(x,y,z)で表され...
**ソフトウェア構成 [#v33e634a]
***自律走行モジュール [#ea10bed2]
当研究室で使用しているロボットのソフトウェア構成を以下の...
CENTER:#ref(composition.png,center,15%)
CENTER:図4: ソフトウェア構成
CENTER:表1 送受信データ
|点群|Point_Cloud|
|目標地点|Check_Point,Way_Point|
|カメラ画像|Image|
|速度命令|Twist|
|推定ロボット現在位置|Pose|
|走行距離計ロボット現在位置|Odometry|
自律走行の基本の流れとしては,"認識","演算","走行"であり,...
認識には主にLiDARとカメラ画像を用いる.次に認識の結果を用...
LiDARによって認識された点群は,ロボットの現在位置を推定す...
障害物を認識するモジュールに使用され,カメラ画像は色を用い...
この時,自己位置推定モジュールによって算出された推定現在位...
から次に向かうべき方向を決定し,向かうための速度を算出.
最終的に算出した速度をロボットへ送ることで走行を実現して...
図4中で,緑色の枠線で囲われている以下のモジュールは
自律走行に必ず必要となるモジュールである.
-ロボット制御
-経路計画
-障害物検出
-自己位置推定
ロボットの自律走行において,はじめに必要となるモジュールと...
このモジュールはロボットへ速度を送信するもので,この速度命...
タイヤが回転し移動を実現している.
また,速度を計算する際にロボットの進行方向を決定する必要が...
進路決定は"経路計画"で行う.
"経路計画"ではロボットが進むウェイポイント群から,次に進む...
しかし,ロボットが次に進むべき方向を正確に決定するためには,
ロボット自身が現在位置を正確に認識しておく必要がある.
ここで,現在位置を認識するために"自己位置推定"モジュールが...
"自己位置推定"では,自律走行を行う予定の場所で地図を作成し...
現在位置の周囲環境の地図を照合することで行う.
また,進行経路上に障害物がある場合,その障害物の有無も進行...
したがって,上記の処理と同時に"障害物検出"を常に行うことで...
本研究は"自己位置推定"で使用する地図を生成するものである.
それぞれについて以下で述べる.
*自己位置推定 [#ra77ec39]
ロボットの自律走行には図4の通り,多くのモジュールが必要と...
当研究室では,
それぞれのモジュールをプロジェクトメンバーで分担し作成す...
点群地図は,図4上の自己位置推定モジュールに
大きく関係している.本節では自己位置推定と点群地図それぞれ...
またそれらの関係について詳しく述べる.
**点群地図 [#a0b38481]
前に示した通り,当研究室のロボットに搭載されたLiDARを使用...
三次元の点群を取得することができる.この時取得された点の位...
(x,y,z)で表されている.これら点群を鳥瞰で見たものをここで...
CENTER:&ref(point_cloud_trm.png,center,50%); &ref(mi...
CENTER:図5 点群と点群地図
三次元の点群を二次元に落とし込む際に,zの成分が高さ1.0m以...
しているため図5の点群には存在した地面の点が点群地図では消...
またこの時,三次元の点群の座標系はロボット座標系であるのに...
点群を画像へ変換する際に座標系を変換する必要があるが,座標...
CENTER:&ref(robot_cord.png,center,20%); &ref(opencv_...
CENTER:図6:ロボット座標系, OpenCV座標系
CENTER:#ref(cordinate.png,center,100%)
CENTER:図7: 座標変換式
図5は局所的な点群地図であり,自律走行に使用する点群地図は
局所的な点群地図をつなぎ合わせ作成した,大きな範囲の全体点...
CENTER:#ref(global_map_white.png,center,40%)
CENTER:図8: 座標変換式
**自己位置推定 [#ma92b2b9]
人が地図上での現在地を把握するには,現在位置から観測するこ...
地図上のものと照合することで行うことが多い.当研究室で採用...
自己位置推定手法は,人が行っている位置の推定に近い手法であ...
CENTER:#ref(locater.png,center,20%)
CENTER:図9: 位置推定
本研究で作成し用意しておいた全体点群地図に対し,ロボットの...
点群を,局所点群地図へ変換したものを照合することで,ロボッ...
位置座標を算出する.
この時の全体点群地図と局所点群地図を照合する手法には,画像...
マッチング手法については後で述べる.
画像のテンプレートマッチングを用いて位置推定を行うこの手...
2019年のつくばチャレンジでも使用しており位置推定の精度は...
しかし,全体点群地図の完成度によってはマッチングの精度が落...
自己位置推定には高精度な点群地図が必要であることが分かっ...
*点群地図生成 [#f4005c57]
**地図生成処理 [#tb9899d2]
全体点群地図を生成する処理は以下の通りである.
CENTER:#ref(flow.png,center,20%)
CENTER:図10: 地図生成フロー
地図生成を始める準備として,ログデータの取得がある.ここで...
コントローラーを使用してロボットを手動走行させたときに取...
点群データ,ロボットの走行距離計から算出した現在位置情報(...
などをファイルに出力したものを指す.またこのログデータは取...
ごとに取得するように設定してある.
走行中にリアルタイムで地図生成を行う手法も存在するが,
リアルタイム地図生成にはかなりの計算速度が求められる.
本研究では,このような計算速度の問題を考えないために,事前...
取得したログデータを使用しオフラインでの地図生成を行う図1...
Boostライブラリのfile_system
を使用しログデータファイルから点群とオドメトリ情報を抽出,
はじめの位置のログデータと次の位置のログデータでマッチン...
算出した差を用いてはじめの位置へ重ね合わせる.
同様の処理で重ね合わせを数回行った後にノイズ除去を行う.
これら一連の処理を一つ目のログデータから最後のログデータ...
手動走行させた場所の全体点群地図を生成する.
以下ではそれぞれの処理について詳しく述べる.
**ログデータ取得 [#lb6da304]
地図を生成するためには,事前にログデータを取得するプログラ...
今回は実際にロボットに搭載するために,"ROS2"を使用したモジ...
ログデータを取得するプログラム(以降はロガー)を開発した.
開発したロガーには,自動取得モードと手動取得モードが存在す...
自動取得モードは,ロボットが0.5m進むごとにその場のログデー...
手動取得モードはコントローラーのボタンが押された時にその...
地図を作成するために取得するログデータは,自動取得モードで...
手動取得モードは,実際のつくばチャレンジで歩行者信号の画像...
本研究では,つくばチャレンジ指定コース,群馬大学,
それぞれのログデータを自動取得モードで取得し地図生成に使...
**点群マッチング [#o9296fb6]
ファイルからログデータを取得した後,それらデータでマッチン...
ログデータは0.5mごとに取得しており,ロボットのオドメトリ情...
ロボットのおおよその現在位置を算出することができる.しかし...
走行する路面状況によっては多くの誤差を含んでしまう.したが...
点群の重ね合わせを行うことはできない.そこで必要となる処理...
現在のロボット位置から観測される点群と,ひとつ前のロボット...
マッチングを行う.マッチングの結果,現在のロボット位置は一...
どの程度移動したのかという数値を"差"として取得することが...
はマッチングを用いて算出した値であることから,信頼すること...
したがって重ね合わせにはこの信頼することができる"差"を使...
本研究では,点群マッチング手法として代表的な"ICPマッチング...
当研究室のマッチング手法である,"ピラミッドマッチング"の両...
***ICPマッチング [#na0d7d26]
三次元点群の位置合わせに一般的に使用される技術として,
"ICP(iteretive closest point)マッチング"が存在する.
本研究では,二次元点群の位置合わせとして,ICPマッチングを使...
マッチングモジュールを作成した.
ICPマッチングとは,異なる位置で取得された点群p_ref,p_comp,
が与えられたとき,p_compをp_refに位置合わせする回転行列Rと
並進ベクトルtを算出することを目的とし,以下の手順で推定を...
-初期位置合わせ
-対応点探索
-対応点の誤差量算出
-誤差量の最小化
***ピラミッドマッチング [#cfb82070]
太田研究室独自の点群マッチング手法であり,2019年度のつくば...
自己位置推定の手法として用いられていたものである.マッチン...
以下の手順でまず画像の生成を行う.
-点群から画像生成
-同一画素上に定義される点の重複を削除
-画像サイズを小さくする
CENTER:#ref(pyramid_2.png,center,60%)
CENTER:図11: 生成画像群
このようにして生成した画像群のうち,サイズの小さいものから...
相似変換で回転しながら,マッチングを行う手法である.
**重ね合わせ [#b940fd85]
点群地図を作り出すスタートの位置におけるロボットの位置座...
(0,0,0)であり,この数値は誤差の無い数値といえる.
取得したログデータは,このスタート位置から0.5\mごとに取得...
設定されているため,マッチングを用いて徐々に重ね合わせてい...
点群地図を生成することができる.
重ね合わせの具体的な流れは以下の図に示し,下に説明を述べる.
CENTER:#ref(overlay.png,center,20%)
CENTER:図12: 重ね合わせ
pos1 はスタート地点のロボット位置であることから, 真の位置...
はこのスタート位置を中心として, 徐々に拡大していくため, ...
測される点群を, 最終的に全体地図となる”global map”へ格納...
わせのはじめの処理である. pos2 は約0.5m 進んだ位置座標を...
は, ロボットのオドメトリ座標の数値であり, 誤差が含まれて...
の位置で観測される点群と, pos2 の位置で観測される点群でマ...
要がある. マッチングによって算出された差は,pos2 がpos1 か...
るかを表しており, pos1 に差を適用することで真のpos2(pos2"...
できる. pos1 のオドメトリ位置座標を(x1, y1, θ1) とし,
pos1 の真の位置座標(x1", y1", θ1") = (x1, y1, θ1)のとき,p...
真の位置座標(x2", y2", θ2") は,以下の式で表される.
CENTER:#ref(true_pose.png,center,100%)
CENTER:図13: true_pose
pos2 の真の位置座標を用いて,global map への重ね合わせを行...
の位置から観測される点群はpos2 を中心とした相対座標である...
の位置座標pos2” はglobal map の中心, つまりpos1 を中心と...
数値である. したがって,pos2” で観測される点群をpos1 中心...
ることで重ね合わせることができる.
相対座標系の点群座標(ロボットから観測された点群) を(p_rx,...
標系の原点(絶対座標系のロボット位置座標) を(c_rx, c_ry), ...
点群座標を(p_ax, p_ay) とすると, 変換式は以下の通りである.
CENTER:#ref(abs_point.png,center,100%)
CENTER:図14: abs_point
次にpos2 とpos3 のマッチングだが, この時pos2,pos3 は両方...
標である. つまりpos2,pos3 をマッチングし算出した差はオド...
り, 誤差を含んでいると考えられる. したがって,pos2,pos3 の...
うことはできない. しかし,pos2,pos3 の差を使うことで, ロボ...
程度進んだかを判定でき, 一つ前の真の位置座標pos2” に適用...
定位置座標pos3’ を算出することができる. 最後に,pos3’ とgl...
を中心とする点群を切り取り, 切り出した点群でマッチングを...
置座標pos3” を算出することができ, global map へ重ね合わせ...
このようにしてglobal map へ重ね合わせる中で, 同じ座標の点...
上の点群数が存在するとき, その点を登録し, それ以外の点を...
ている. 以上の処理でログデータのはじめから最後までを重ね...
生成する.
*提案手法 [#xbb55e31]
本研究では, 三次元点群の位置合わせに一般的に用いられる, I...
田研究室のマッチング手法である, ピラミッドマッチングの両...
マッチング精度を向上させ, 高精度の点群地図を生成すること...
点群地図生成の, 初期段階として作成したモジュールは以下の...
マッチングのみを使用する構成であった.
CENTER:#ref(map_build_icp.png,center,20%)
CENTER:図15: icp_map_build
pos1,pos2 をICP マッチングし算出した差を用いて,pos2 の真...
真の位置座標から観測される点群の座標系を変換することでglo...
合わせを行う. このとき,ICP マッチングの初期位置合わせには...
と, pos2点群の座標系を合わせることで,行っている. p_ref 座...
原点(ロボット位置座標) を(c_rx, c_ry) とし, p_comp 座標系...
としたとき変換式は以下の通りである.
CENTER:#ref(conversion.png,center,100%)
CENTER:図16: conversion
ICP マッチングのみを用いた点群地図生成の精度は, 期待して...
ものであった. そこで, 本研究の提案手法である, 両方のマッ...
の図のような構成を考えた.
CENTER:#ref(map_build_pyramid_icp.png,center,20%)
CENTER:図17: pyramid_icp_map_build
図15との違いは,ICP マッチングの前にピラミッドマッチングを...
はじめにピラミッドマッチングを行い, おおよその差を算出. ...
チングの初期位置合わせに使用するというものである. ICP マ...
使用する場合には, 初期位置合わせにロボットのオドメトリ座...
ならない. しかしオドメトリ座標は, ロボットが走るほど誤差...
特徴がある. したがって, 初期位置合わせにオドメトリ座標を...
誤差の原因になることが考えられる.
本手法ではオドメトリ座標を使用せず, ピラミッドマッチング...
を使用することで, 初期位置合わせ精度を向上させ, 結果的に...
生成することを目的としている.
ピラミッドマッチングにより算出した差を(dx, dy, dθ), 変換...
(p_x, p_y), p_comp 座標系の点群を(p_cx, p_cy), p_ref 座標...
をθr とすると, 差をICP マッチングの初期位置に適用するため...
である.
CENTER:#ref(conversion_2.png,center,100%)
CENTER:図18: conversion
*評価実験 [#rb447f99]
点群地図生成をするにあたって, 部分的に作成した点群地図と,...
た点群地図, マッチングを考慮しないログデータと, マッチン...
ログデータに分けて, 点群地図生成実験を行った. それぞれの...
-群馬大学
--部分地図
---ICP マッチング単体使用の地図生成
---ピラミッドマッチング単体使用の地図生成
---両方のマッチング使用の地図生
--全体地図
---マッチングを考慮しないログデータ
---マッチングを考慮したログデー
-つくばチャレンジコース
ログデータの取得は全範囲を一度で取得するものではないため,...
分的な単位で分かれている. 部分的な単位で作成した点群地図...
図と呼ぶ. また全体地図はそれら部分的な点群地図をはじめに”...
読み込み, 読み込んだglobal map の上に新しいルートで取得し...
ね合わせることで, 徐々に地図を拡大し, 全体点群地図を生成...
合わせには前に述べた手法と同様のものを用いる.
マッチングを考慮せずに取得したログデータは, マッチングの...
考慮することなく, 走行予定の場所でログを取得したものであ...
には狭い通りや, 曲がり角での回転が多いことや, ログデータ...
がある. これらの特徴はマッチング精度を落としてしまい, 生...
精度を落としてしまう. 逆にマッチングを考慮したログデータ...
い, できる限りマッチングを取りやすいルートを選択したログ...
いる.
本評価実験はマッチング手法による, 生成される点群地図の精...
マッチングを考慮しないログデータと, マッチングを考慮した...
れた全体の点群地図にどのような差があるのか確認するもので...
条件下で作成した点群地図を以下に示す.
*生成結果 [#j2006436]
**群馬大学 [#m175c4d5]
***部分地図 [#s8f2f67d]
群馬大学桐生キャンパス図書館の裏道を通り,4 号館の周りを一...
を戻り,6 号館とプロジェクト棟の間までのログデータ.
CENTER:&ref(icp_cp.png,center,50%); &ref(scan_cp.png...
CENTER:図19:icp, pyramid, pyramid-icp
特徴の現れた部分を拡大した図が以下である.
CENTER:&ref(icp_path.jpg,center,60%); &ref(scan_path...
CENTER:図20:icp, pyramid, pyramid-icp
CENTER:&ref(icp_start.png,center,70%); &ref(scan_sta...
CENTER:図21:icp, pyramid, pyramid-icp
***全体地図 [#b6473dd3]
マッチングを考慮しないログデータ
CENTER:#ref(old_global_map.png,center,50%)
CENTER:図22: 群馬大学
マッチングを考慮したログデータ
CENTER:#ref(new_global_map.png,center,50%)
CENTER:図23: 群馬大学
**つくばチャレンジコース [#e0fa74e1]
CENTER:#ref(tsukuba_1.png,center,50%)
CENTER:図24: 課題コース
一部を拡大したものが以下の図である.
CENTER:&ref(tsukuba_2.png,center,30%); &ref(tsukuba_...
CENTER:図25:課題コース(拡大図)
*考察 [#x7312c2a]
**提案手法 [#cec7a12a]
図20,21を見ると, スタート位置で回転するログデータであるこ...
きる. また, 色の付いている点は推定結果の位置座標である. ...
図21 のICP マッチングには小さな歪みと, 推定結
果位置のバラつきが確認できる. この結果から判断できること...
は回転に弱く, 初期位置の設定が曖昧であると, マッチングが...
とである. これは, 二点群の初期位置があまりに離れると収束...
グの特徴によるものだと考えられる. x, y 方向への並進の剛体...
状がかけ離れることはないが, 回転の変換では数度の回転で大...
マッチングが収束しないほど, 初期位置が離れてしまうことが...
二つ目として, 図20のそれぞれを比較すると, ピラミッドマッ...
出された, ロボットの推定位置が飛んでしまっていることが分...
ピラミッドマッチングは広い範囲で点群を取得することが出来...
ング精度が落ちてしまうということが言える. これはピラミッ...
ゴリズムを考えると, 一番小さいサイズの点群地図で行うマッ...
れが原因だと考えられる.
三つ目として, 図20,21 を見ると, 両方のマッチングを使用し...
のICP マッチングを用いた点群地図, ピラミッドマッチングを...
見られた, 大きなゆがみや, ずれが発生していないことが分か...
たマッチング手法の両方を使用することで, それぞれのマッチ...
ることができている. 以上のことから本研究の提案手法は点群...
えで有効な手段であると考える.
**ログデータの改善 [#vedfc674]
全体地図を生成する際に行ったログデータの改善については, ...
を比較すると, 非常に有効なことが分かる.群馬大学の地図上で...
ショップにかけての細い道において, 図22 では,歪みが発生し...
23では, そのような歪みは見られない. これは,図22を構成して...
一つにつき約1500 から2000 データと多いのに対し,図23を構成...
タのデータ数は約1000 データと少なく, 累積される推定位置の...
が原因だと考えられる. しかし, データ数を減らすことや, 回...
という工夫をするために, いくつもルートを分割しているため,...
なっている. 最終的に生成した,図23の点群地図には特に破綻も...
に使用できる精度で生成出来ていると考える.
**つくばチャレンジコース [#c2b3368f]
つくばチャレンジコースの生成結果は満足できるものでは無か...
拡大した図25を見ると, 推定結果の位置である, マゼンタ色の...
ることが分かる. つくばチャレンジコースは群馬大学よりもさ...
多くなり, 約5000 から6000 データで構成されている. データ...
発生する, 推定位置の累積誤差が大きくなってしまい, 図25 の...
なっている.
本年度のつくばチャレンジでは, ログデータを取得するために...
難しく, 新規にログデータを取得することが出来なかった. 結...
ログデータが, 一周約5000 から6000 データの大きなログデー...
群馬大学と同様にマッチングを考慮したログデータを複数取得...
点群地図生成プログラムでもより良い生成結果になることが考...
*結言 [#z84716a5]
本研究ではロボットの自律走行のための点群地図生成手法を検...
地図生成の際のマッチング手法としては, ICPマッチング, ピラ...
を採用し,本研究ではその両方のマッチング手法を用いた点群地...
点群地図の生成を行った.
それぞれのマッチングの特徴として,ICPマッチングでは,点群を...
マッチングが収束したときの精度は高いが,数万点の点群を扱う...
マッチングの速度は速くない.また,マッチングを取りたい二点...
離れた形状をしていた時,マッチングが収束しないという特徴が...
ピラミッドマッチングでは,点群を画像に変換したものをいくつ...
用意した画像のなかで小さいものからマッチングを行う.
画像を用いてマッチングを行うため,ICPマッチングと比較する...
速度は速いという特徴がある.
それぞれのマッチング手法で作成した地図を比較検討した結果,
ICPマッチングは,回転の多いログデータで破綻が見られ,
ピラミッドマッチングでは,狭い道を通るログデータで破綻が見...
しかし両方のマッチングを使用したものではそのような破綻が...
本研究で提案する手法は点群地図生成手法として有効であると...
また,ログデータの改善に関しては,全体地図を生成する際に非...
群馬大学で,大きな効果を挙げたことから,つくばチャレンジコ...
マッチングを取りやすいルートを選択し,
ログデータを分割して,一つのログデータごとのデータ数を減ら...
破綻の少ない点群地図の生成が可能だと考えられる.
今後の方針としては,本研究で作成した群馬大学の点群地図で自...
使用できるレベルの地図であれば,次につくばチャレンジコース...
現在の地図生成精度ではつくばチャレンジコースを破綻無しで...
ログデータの改善で群馬大学地図を高精度で生成出来たことから,
つくばチャレンジコースのログデータを改善することを試すだ...
しかし,現状ではそのような都合の良いログデータは存在しない...
来年度以降のつくばチャレンジにて,マッチングを取りやすいロ...
点群地図を生成するにあたってはじめにするべきこととなる.
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