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テンプレートマッチング法のパターンの変形に対する耐性の評価

テンプレートマッチングとは

研究目的

テンプレートマッチング法を用いる際に、探す画像パターンに変化が生じていた場合、どの程度の変化なら許容されるか、またどの方法が最も耐性があるのかがこれまではわからなかった。そこで本研究では、探す画像パターンに倍率・回転の変化があったとき、どの方法が耐性があるのかを実験を通して評価した。

評価するマッチング方法

評価を行ったマッチング法は以下のものである。

評価に使用する画像

 評価を行うために、以下のような背景画像とテンプレートを使用した。

実験画像1.jpg
図2:背景画像
実験画像2.jpg
図3:テンプレート

ただし、背景画像とテンプレートはまったく関係のない画像である。

評価方法

評価の全体の流れ

評価の全体の流れは以下のようになっている。

チャート.jpg
図4:評価の全体の流れ図

判定値の求め方

背景画像とテンプレートでテンプレートマッチングを行うと、テンプレートに似ている画像パターンがない場合のスコア(これをaとする)が得られる。また、テンプレートとテンプレートを変化させたものでテンプレートマッチングを行ったとき、テンプレートの変化につれてスコア(これをbとする)は悪くなっていく。このとき、b > aである間は正しくマッチングできると判断できるので、背景画像とテンプレートでテンプレートマッチングを行い、結果のスコアを判定値として使うことにした。判定値の求め方は以下のとおりになる。

判定値.jpg
図5:判定値の求め方

テンプレートを変化させた画像の準備

許容範囲を求めるには、テンプレートの倍率を変化させたり回転の変化を行ったものが必要である。そこで、倍率の変化については80%~120%(2%刻み)の倍率変化を行ったものを用意し、回転の変化については、0°~20°(2°刻み)の回転を行ったものを用意する。

ノイズを付加した画像の準備

先ほど作成した画像はノイズがない画像であり、ノイズを付加して現実的な状況での結果も知りたいと考えた。そこで、先ほど作成した画像に平均0標準偏差2のガウスノイズ、平均0標準偏差8のガウスノイズ、平均0標準偏差32のガウスノイズを付加したものを用意し、ノイズを付加した場合の結果も調べることにした。

許容範囲の求め方

許容範囲は以下のように求める。

倍率.jpg
図6:倍率の変化における許容範囲の求め方
回転.jpg
図7:回転の変化における許容範囲の求め方

結果

まとめ

結果から、倍率の変化においてはSAD・NCCが耐性があり、ISCは耐性がないことがわかった。また、回転の変化においてはSADが耐性があり、ISCは耐性がないことがわかった。

今後の課題としては、

が挙げられる。


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