犯罪捜査において、防犯カメラに写った不審車両のナンバープレートを認識することは大変重要である。しかしナンバープレートが小さく撮影されていて、目視で数字を認識できない状況も多い。本研究では防犯カメラが犯罪後も使用可能であること、ナンバープレートには0から9の10種類の数字しか使われていないことの2点に着目し、このような場合にも防犯カメラの画像から数字を認識する手法を提案する。
リファレンスプレートを検証したい画像に映っている不審車両と同じ向き・同じ位置になるように設置し, 向きと位置を少しずつ変えて撮影する。
これを00 - 00,11 - 11, ... , 99-99 の10種類すべてにおいて行うと 図3 のような画像が得られる。
リファレンスプレートを撮影した画像 ( 図3 ) から, 数字が描かれているであろう箇所を切り出す。今回は、数字につき20 枚, 計200 枚の画像が得られる。
図4 は文字テンプレートの一例である。
入力画像が 0 ~ 9 のどの数字と似ているかを求める方法としてテンプレートマッチングを用いる。 テンプレートマッチングとは、 入力画像とテンプレート画像を重ね合わせることにより比較照合し、判定する処理である。 今回、入力画像と文字テンプレートに比較には正規化相互相関を用いた。
実験で使用した画像の一例を以下に示す。使用したナンバープレートのサイズは 約 35×17 pixel、約 27×13 pixel、約 23×11 pixelの3種類である。
図6 約 35×17 pixel 図7 約 27×13 pixel 図8 約 23×11 pixel
約 35×17 pixel、約 27×13 pixel、約 23×11 pixelのナンバープレートサイズで、提案手法の有用性を確かめる実験を行った。
"第一候補以内"とは、ナンバープレートの書かれている文字を 0 から9 の10 通りの可能性のうち、1 つに絞った場合それが正解(正しく文字認識) している割合である。 "第三候補以内"とは、3 つに絞った場合,、その3 つのなかに正解がある割合である。